太陽系の最高司令官(ジェネラル)アグノーシアと、テロリストにして古代銀河帝国(アルカイック・ステイツ)のスポークスマン、スラウチの対立を軸に中央権威評議会の太陽系切り離し計画をからめて展開するSF。
こむずかしくない古典的SFを読みたい人、大原まり子の世界をのぞき見したい人におすすめ!
ただわたし、ラストが納得しかねるのよね。
いいの、それで?
ハードボイルドものです。
2週間前に途中降板した民間検問士の仕事の依頼人が殺され、その事件につっこんでいくはなし。
未来ものなのがさらに楽しくさせる。一般人は質問しちゃいけなくて検問士の資格がいる。とか、知能レベルが人間並の進化動物のカンガルーが殺し屋、とか、未来世界(世紀末的な)設定がバンバンでてきます。
近未来、世界中で出生率が落ちていき、ついに子供が産まれなくなって、さらに7年後の物語。人類が滅びる理由は明かされない。希望も示されない。まいったね。まっくらだ。まっくら小説が好きな人にはたまらんだろうが、ワタシの好みではなかった。
でもおもしろい。
寓話集。
巻頭寓話に愚かな甲羅男(元・人間)がでてくる。ヤツはカブト虫女(元・美女)をだまくらかして結婚した。そして、別の寓話がいくつか挟まって再び愚かな甲羅男がでてくるころには、ヤツに懐かしささえ感じていた。短編集ならではのちょっとしたトリック。しかも気分はいい。
火星が舞台で、SFと言うより空想科学小説。
地球人は、いかにすれば火星で生き残れるか。これを読めば万事OK!
今ほど火星の実態が知られていなければ、きっと信じたであろうリアリティー。好きなんだなぁ、こういう本当っぽいの。
ジュブナイル小説など今となっては縁のない代物なのだが、これは別格。ファンタジーの衣を着た登山小説なのだ。ほぼすべての人にすすめられる一品。
だがいかんせん器が悪い。悪すぎる。なにが悪いって…あの文字のでかいことでかいこと!
あの文字級に耐えるにはワタシの目は悪すぎる。
1997年11月10日
ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
(稲葉明雄/伊藤典夫/訳)
『地球人のお荷物』ハヤカワ文庫SF
《ホーカ》シリーズ
軽いユーモアSF。
普段SFなんて読まない人でもきっと楽しめる内容。しかししかし、パロディ話なので元ネタを知らないと楽しさ半減。ドン・ジョバンニとかホームズとか…銀河パトロールとか…。
英国SF協会賞をとった本物のSF。
距離表示がマイルでいまいち分からん。しかも登場人物たちは年月もマイルで数えているのだ。もちろん、そうすることには深い深い意味があり、その謎は徐々に明らかにされていく……。そこまでいっちまえば、もうマイルだろうがヤードだろうがドーンとこい!
そんなこと関係なしにおもしろい!
このラストがベストだったとは思ってないけど、もうどうでもいい!
おもしろいんだから!
あいかわらずの"らも"節。クスリやら宗教やらに大興味がある人は問題なくOK! なのだろうが、いいかげん飽きてきた。途中まではグイグイいくんだがね。
ラスト、いいのかこれで?
しかし、ラストが納得いく形で終わってる物語というのも、なかなかないよね。
SF大賞受賞作の続編。
微妙なところでつながってる短編たちの連合SF小説集。この微妙なところでつながってるのがミソ。決してくっついてはいないのだ。