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1998年の記録
目録
 1/現在地
 


 
このページの本たち
悪魔を飼っていた男』クリストファー・ムーア
トキオ・ウィルス』村上政彦
THE ALLURE』リチャード・コールダー
古書狩り』横田順彌
悪魔 −アントライオン−』荒俣 宏
 
眠る石 〜綺譚十五夜〜』中野美代子
ライトジーンの遺産』神林長平
百人の王様 わがまま王』原田宗典
ニュースキャスターはこのように語った』村上政彦
闇吹く夏』荒俣 宏

 
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1998年01月05日
クリストファー・ムーア(青木純子/訳)
『悪魔を飼っていた男』東京創元社

 ホラー・コメディ。
 心ならずとも悪魔を呼びだしてしまった神学生と悪魔“キャッチ”の旅の終わりを描くはなし。
 主役は神学生だけではない。この世界に登場するキャラクターすべてが主役なのだ。手広い分、ワケが分からなくなる人もいるかと思うが、それはそれで仕方ないことだ。ワタシは好きだな。個人が生きてる物語は、世界も生きているのだから。


 
 
 
 
1998年01月16日
村上政彦『トキオ・ウィルス』講談社

 ウワサ話調に仕上げた短編ほ練り合あわせた一冊。
 Aから聞いたはなしだが、そのAも別のBから聞いた、といったパターン。パターンものは数編だけだとただそれだけのことだが、まとまった量となるとすざまじい。
 行間すべてからTOKIOがにじみでてくるようではないか。終わりがまた良かった。
 TOKIOのはなしに完結はないのだ。


 
 
 
 
1998年01月30日
リチャード・コールダー(浅倉久志/訳)
『THE ALLURE』トレヴィル

 ポスト・サイバーパンクの旗手らしいコールダーの自動人形(オートマタ)三部作と、近未来衣服SF(洋服に意識がある)の一本を収録。
 これらの作品と同じくらい長い巽孝之氏の解説もあったが、失礼ながらあんまり読まなかった。童話調作家の長野まゆみ氏のあとがきを読んでしまって以来、そのテの文章はマジメに読まないようにしているのだ。その理由とは……? 知りたい人は長野まゆみを読もう。


 
 
 
 
1998年02月09日
横田順彌『古書狩り』ジャストシステム

 古書にまつわる短編集。
 古書収集家について知りたい方におすすめ。


 
 
 
 
1998年02月10日
荒俣 宏『悪魔 −アントライオン−』メディアワークス

 人間が生まれてくるまでの(前世と今世の狭間の)はなし。
 理屈っぽいのが好きな人にはおすすめ。


 
 
 
 
1998年02月15日
中野美代子『眠る石 〜綺譚十五夜〜』日本文芸社

 メジャーな観光地の昔語りもの。
 遺跡を眺めながら昔の人に思いを馳せたい人におすすめ。


 
 
 
 
1998年02月22日
神林長平『ライトジーンの遺産』朝日ソノラマ

 ハードじゃないけど、本物のSF。
 人工臓器製造を独占していたライトジーン社が解体されたあとの話。会社は解体されても技術は残る。しかもその技術は、臓器崩壊におそわれている人類になくてはならないもの。これでけでもなにかありそうでしょ?
 そのうえ、人工人間であり超能力者である主役は、超能力は人類の退化だと言い切るのだ。うーん、めずらしい…。
 しかし、問題点が一つ。神林長平ってすごくクセのある作家なので、それが好きになれるかどうか…。私は好きだ。


 
 
 
 
1998年04月08日
原田宗典『百人の王様 わがまま王』岩波書店

 寓話2本を絵本調に仕立てた本。
 別段めずらしさはなし。ただ岩波のカラーではないような気がして、そういう意味でおもしろい。岩波書店の本は字組みが好きではなくてあまり読まないのだが。


 
 
 
 
1998年04月11日
村上政彦
『ニュースキャスターはこのように語った』
集英社

 ニュースステーション(テレビ朝日)の久米宏調にニュースを紹介し、それについて物語る短編集。通常ならニュースにならないような出来事も見事にニュース化していて、さすがは村上政彦。


 
 
 
 
1998年04月22日
荒俣 宏『闇吹く夏』角川書店

 風水もの。いきなりシリーズ4作目。
 主役の風水師に超ムカツイた。女をなんだと思ってんだ。
 ムカムカしながら、ほとんど意地で読んだ久しぶりの本。読了までに二週間もかけちまった。

 
 

 
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