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1999年の記録
目録
 
 
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このページの本たち
CARMILLA』J・S・レ=ファニュ
ねじのかいてん』椎名 誠
超老伝 −カポエラをする人−』中島らも
帰らざる時の物語』松本零士
宇宙海賊キャプテンハーロック』松本零士
 
武装島田倉庫』椎名 誠
夜来たる』アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグ
水域』椎名 誠
日本国の逆襲』小林恭二
三国演義』安能 務

 
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1999年05月24日
ジョーゼフ・シェリダン・レ=ファニュ
(清水みち/鈴木万里/訳  徳吉 久/写真)
『CARMILLA 吸血鬼カーミラ』
大栄出版

 ずいぶん昔に書かれた、吸血鬼ものの現代語訳です。装丁を意識したらしく、本文は横書きでグレイッシュブルーのインクでしたし、写真もふんだんにありました。しかし、どうもわたしには構成者の意図をうまくくみ取れなかったみたいで、少々残念に思うのでした。
 文の途中に写真のページがくるので、写真を無視して次に行かざるを得なかったり、『日本国憲法』(条文と写真が見開き単位で交互に続いていた)に似ている印象が拭えなかったり、と……。


 
 
 
 
1999年6月09日
椎名 誠
『ねじのかいてん』
講談社

「ねじのかいてん」の終わり方は、まさしく椎名誠氏の話だという感じがします。読んでいる身としてはやりきれなさが残るものの、まぁ、これが椎名氏なのだ、と、納得するしかないのでした。
「水域」は、長編として書き改めたバージョンをすでに読んでいまして、これを読んで、また、長編版を読みたくなりました。


 
 
 
 
1999年6月15日
中島らも
『超老伝 −カポエラをする人−』
角川文庫

 再読。
 そういえば、この話が、始めて読んだ中島らも氏の小説(?)でした。エッセイとかコラムとかは読んでましたけどね。おそらく、9年前のこと。しかし、当時は単行本だったので気づかなかったけど、文庫になったら厚みが……ナイ。ふうむ。


 
 
 
 
1999年06月21日
松本零士
『帰らざる時の物語』
秋田書店

 短編の作品集。文庫サイズで400ページ強の分厚さ。普通の本より厚く感じます。もちろん、厚いだけではない。


 
 
 
 
1999年06月22日
松本零士
『宇宙海賊キャプテンハーロック』
全三巻・秋田書店

 全三巻ながらきちんと終わってなくて……。まぁ、氏の作品は始めてではないから馴れてますが「完結」じゃなくて「未完」にしてもらった方が、やっぱりうれしいなぁ、と思うのでした。


 
 
 
 
1999年06月28日
椎名 誠
『武装島田倉庫』
新潮文庫

 すでに読んでいると思っていたら、読んでいるのは表題作のみで、あとは未読でした。ううむ。


 
 
 
 
1999年06月30日
アイザック・アシモフ&
ロバート・シルヴァーバーグ
(小野田和子/訳)
『夜来たる[長編版]』
創元SF文庫

 1941年に発表されたアシモフ氏の中編版を書き直した長編版。
 わくわくします。そして、おもしろかったぁー。けど、物足りなさも残る……。


 
 
 
 
1999年07月08日
椎名 誠
『水域』
講談社文庫

 内容は……水に覆われた世界で、一人舟に乗り、漂い続けている男のはなしです。以前単行本で読んだような気がしていたのですが、気がしていただけだったみたいです。
 裏表紙の内容紹介文の「ズー」がでてきたのは、148ページになってからでした。さらに、ズーとの暮らしが終焉を迎えるのは241ページ……。物語が終わるのは278ページ。
 なんか、ちょっとむなしかったのでした。


 
 
 
 
1999年07月15日
小林恭二
『日本国の逆襲』
新潮文庫

 当書は、以前単行本で読んだものの、文庫版再読になります。当時の記録によると93年の2月に読んだようです。
 丸6年ぶりかぁ。
「千年観光団」・・・無期限パックツアーの千年観光団を追い求める「僕」のおはなしです。
「日本国の逆襲」・・・多国籍軍が、経済帝国主義国家日本国を壊滅させたあとのおはなし。昔読んだときにはけっこうリアルだったんですが、今となっては……。文学にもタイミングが重要ですな。
「インドから来た青年」・・・凡庸なる日本人を目指す、天才青年のおはなし。受験戦争は今のほうが激化しているかもなぁ、と思うのでした。もう現役は退いてますから、よく分かりませんが。
「車神」・・・日本観察者によるレポート。「自動車」と「クルマ」の違いについて説いた(?)のは、(ボケ始めた記憶によると)神林長平『魂の駆動体』でしたか……。


 
 
 
 
1999年08月02日
安能 務
『三国演義』
全6巻・講談社

 わたしがこれまでに読んできたのは『三国演義』ではなく『三国志』ばかりだったのですが、やはり、書き手によって内容が微妙に違ってました。当然のごとく、本書も違います。
 他書では死んでしまう人が生き続けたり、もっと長く活躍した人が早々と死んでしまったり……。主役の玄徳を異様に美化していないのは、好感度高し。
 物語自体がコンパクトなつくりなため、展開の早いこと、早いこと。ドコドコと、新たな人間がでてきては消えていきます。登場人物一人一人をいちいち覚えながら読むタイプの人は蒼白ものでしょうねぇ。

 
 

 
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