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2000年の記録
目録
 
 
 3/現在地
 
 
 
このページの本たち
夏への扉』ロバート・A・ハインライン
百舌の叫ぶ夜』逢坂 剛
地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス
超老伝−カポエラをする人−』中島らも
はい どうぞ!』中山星香
 
銀河鉄道999』松本零士
銀河鉄道の夜』ますむら・ひろし
銀河鉄道の夜』宮沢賢治
百億の昼と千億の夜』光瀬 龍
百億の昼と千億の夜』萩尾望都

 
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2000年02月19日
ロバート・A・ハインライン(福島正実/訳)
『夏への扉』ハヤカワ文庫SF

 オールタイム・ベストには常連の、時間ものの名作。
 恋人に裏切られたあげく失業した男の復讐物語。復讐として選ばれたのは、冷凍睡眠保険。30年後に、年老いた裏切り者どもの前に若々しい姿で現れる計画をしたものの、どうしても捨てセリフを言いたくなり、敵陣にのりこんでワナにはまってしまう。ワナに落ちたまま30年後の世界で目覚めた彼を待ちうけていたものは?
 予定調和的なストーリーなのですが、安心して読めます。
 猫がとてもいい役割を演じているので、猫好きさんには特におすすめ。


 
 
 
 
2000年02月27日
逢坂 剛
『百舌の叫ぶ夜』
集英社庫

 《公安》シリーズ第二作。
 記憶喪失の男をめぐるサスペンス。
 男は妹と名のる女性に身元を確認されるが、帰宅途中、自称上司とその妹に殺されそうになる。自分はいったいなにものなのか? 錯綜する人間関係、謎の爆弾事件、そして時制までもが変化していく、こんぐらがった物語です。
 じっくり向き合える世界にひたりたい人に、特におすすめ。軽い気持ちでは読めません。


 
 
 
 
2000年02月27日
ブライアン・W・オールディス(伊藤典夫/訳)
『地球の長い午後』
ハヤカワ文庫SF

 異質な未来世界もの。
 地球は自転をやめ、太陽に片面を向けてまわっている。主役は、巨大樹木におおわれている昼の面に暮らす少年。彼は、反抗的な性格から集落をおわれ、長い旅にでることに。
 人類は滅びの運命から逃れることはできるのか?
 世界観が圧巻でした。そして、ラストは衝撃的。当作品の影響が見られるはなしも多く、読んでおいて損はない一冊です。おすすめ。


 
 
 
 
2000年02月27日
中島らも
『超老伝 
−カポエラをする人−』角川書店

 独白で構成された、コミカルタッチのエンターテイメント。
 少々(?)狂っている格闘家の老人が主役。彼のところに、モヒカン少年と、彫り師の娘が弟子入りしてきて、珍騒動を巻き起こす。それらのバカらしくって、おもしろいことと言ったら!
 中島らもの話芸を楽しむ本です。
 空白部分が極端に少なくて尻込みしてしまうかもしれませんが、すぐに気にならなくなるハズ。


 
 
 
 
2000年03月18日
中山星香『はい どうぞ!』双葉文庫

 ファンタジィ・ショートコメディ集。
 ある日やってきた下宿人は、言葉をはなし、魔法を使う直立猫。
 主役は、大家の一人娘。その女の子と、家族と、隣家のボーイフレンドと、直立猫と、そのお友達(もちろん、ただ者ではない、お友達)……などなど、いろんな個性で繰り広げられる、おもしろおかしい短編マンガ集です。
 昨今のマンガ文庫ブームのおかげで、今でも新刊で手に入ります。うれしいことに!


 
 
 
 
03月18日
松本零士
『銀河鉄道999』
全12巻・少年画報社文庫

 アニメ映画化された同名作品の原作。
 謎の女性にいざなわれて銀河特急999(スリー・ナイン)号にのりこんだ少年の冒険マンガ。
 旅の目的は、機械の体を手に入れること。停車駅でさまざまな人間(や機械化人間)たちと出会い、成長していく過程が描かれます。
 少年は旅の最後にどんな選択をするのか?
 実は……文庫版では12巻で終わりですが、単行本ではこのつづきもあります。


 
 
 
 
2000年03月18日
ますむら・ひろし(宮沢賢治/原作)
『銀河鉄道の夜』
扶桑社文庫

 アニメ映画化された同名作品の原型。
 宮沢賢治の幻想第四次の世界が、猫マンガになりました。人間もでてきますが、直立二足歩行をしている猫がメイン。かなり原作を意識しているようで、堅苦しい、というか、文字だらけのところもあります。でも視覚的にも楽しめます。
 現在読める最終形の他、滅多に見られない初期形(ブルカニロ博士篇)も収録。


 
 
 
 
2000年03月26日
宮沢賢治
『銀河鉄道の夜』
角川文庫

 大人の鑑賞にも堪えられる童話の短編集。
 表題作の「銀河鉄道の夜」は……汽車で幻想第四次を、友人と共に旅する少年のはなし。いちばんの幸いとは? ほんとうの神さまとは? そもそも銀河鉄道とは? 知りたい人は読みましょう。
 などなど、短編8本が収録されています。


 
 
 
 
2000年03月26日
光瀬 龍
『百億の昼と千億の夜』
ハヤカワ文庫JA

「神」を追いかけるスペクタクル・ロマン。
 世界の創世に始まり、その終焉まで、壮大な宇宙をかけぬけ「神」を名のる存在を追いかけます。予備知識のないまま読んでもらいたい一冊。
 ただし、万人受けするはなしではありません。


 
 
 
 
2000年03月26日
萩尾望都(光瀬 龍/原作)
『百億の昼と千億の夜』
秋田文庫

 光瀬 龍の同名作品のマンガ化。
「神」を追いかけるスペクタクル・ロマン。単なるマンガ化ではなく、萩尾望都の内部で消化されて具象化したことがうかがわれます。原作に挫折した人も、これなら取っつきやすいのでは……。

 
 

 
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