はじめて一年を通して記録が残った、貴重な年でした。読書日記は掲載後にまとめ直しましたが、文章は当時のままです。それほど年月はたっていないのに、評価が上がっているものと、下がっているものがあります。
　
　ベストとまではいきませんが、この年に読んだ“拾いもの”は、翻訳家の名前（浅倉久志）だけで選んで読んだ、うれしい誤算のこの本。
　
イアン・Ｍ・バンクス
『ゲーム・プレイヤー』
　高度に文明の発達した銀河連邦“カルチャー”では、あらゆるシステムがＡＩによって維持され、人々は遊び暮らしている。グルゲーは、名声をほしいままにしているゲームの達人。ＡＩからの要請で、はるか彼方のアザド帝国で開催されるゲームへ出場することになるが……。
　

　
 2001年の…
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天藤　真
『大誘拐』
　紀州随一の大富豪、柳川本家の女当主としは、九月に入り山歩きを思いついた。柳川家の持山は約４万ヘクタール。連日山に入り、ある日、誘拐されてしまった。としを誘拐したのは、虹の童子を名乗る三人組。それぞれに事情はあるが、本来は気のいい三人組だ。としは彼らに、身代金を100億円にするように要求するが……。

中井紀夫
『山の上の交響楽』
　天才作曲家・東小路耕次郎は、自身の作品は一度だけ演奏されるべきと考え、生涯、長大な曲を書き続けた。その長さたるや、演奏に１万年を要するほど。山の上の奏楽堂で演奏がはじまって200年。楽団員たちは、昼も夜も交代で演奏をつづけていた。写譜作業が遅れつつある中、難所中の難所〈八百人楽章〉がせまる。……他５篇収録の短編集。
　
逢坂　剛
『しのびよる月』
　御茶ノ水署・生活安全課保安二係は、２人だけの小世帯。斉木警部補と梢田刑事は小学校の同級生で、いじめられっ子といじめっ子の関係にあった。斉木はかつての恨みをはらすべく、梢田はこき使う斉木をやりこめようと、画策するが……。
　
ロバート・Ｊ・ソウヤー
『占星師アフサンの遠見鏡』
　恐竜（キンタグリオ）のアフサンは見習い占星師。危険な巡礼の船旅にでかけたおり、遠見鏡で天体観測を行った。それがもたらした真実は、キンタグリオ族が傾倒している宗教の教えと真っ向から対立していた。しかも、一族の存亡にかかわるものだったのだ。アフサンは一族を救おうとするが……。
　
飯嶋和一
『神無き月十番目の夜』
　関ヶ原の合戦から２年。常陸の山里・小生瀬は半農半士が集っていたため、ある程度の自由が許されていた特殊な村。時代は転換期を迎え、小生瀬もただの村となることが要求される。高いプライドを持つ村人たちは反発するが……。
　
アイザック・アシモフ
『ファウンデーション』
　銀河帝国は繁栄を極め、崩壊の兆しが見えつつあった。心理歴史学を開発したハリ・セルダンは、計算でもって帝国の滅亡を算出する。滅亡後にやってくるのは、３万年におよぶ暗黒時代。セルダンは密かに、暗黒時代を1000年に短縮することを目的として“ファウンデーション”の建設を計画するが……。

 

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