書的独話

 
2008年のひとりごと
01月01日 展望、2008年
01月02日 2007年、ベスト
01月10日 『冒険の惑星』は全四巻か、四部作か
04月20日 続・本棚写真館
05月23日 活字と映画と歴史の『指輪物語』
07月13日 残された人びと、あるいは……
08月20日 選ばれた人たち
12月23日 時の流れと《ネシャン・サーガ》三部作
12月31日 総括、2008年
 



 
 

 
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2008年01月02日
2007年、ベスト
 
 再読ばかりの2007年。
 再読本はベストに入れないことにしているので、今年も数少ない候補の中から選ぶことになりました。それでもおもしろい作品というのは常にあるわけで……。
 
チャールズ・ストロス
アイアン・サンライズ
 モスコウ連邦共和国の主星が、突如として超新星爆発を起こした。ニューモスコウに住む2億人は全滅。さらに、爆発の余波は広がっていく……。誰が、なんのためにこの惨事をひきおこしたのか?
 実は『シンギュラリティ・スカイ』の続編。物語的にはつながってませんが、人物的にはつながってます。単独で読むのは大変かも。いろいろありながらもなんとかまとまっているのは、前作のごちゃごちゃがあったればこそ。
 
小川洋子
博士の愛した数式
 家政婦の私は、博士の身の回りの世話をすることになった。博士には障がいがあり、80分しか記憶が持たない。そのためにうちとけることができず、とまどう私。しかし、博士の要望で息子「ルート」が学校帰りに寄るようになると、徐々に血の通った交流が生まれてきて……。
 
映画化されて、ご存知の方も多いであろう名作。テレビ地上波で映画を観て、涙、涙。勢いで原作を読んで、これまた涙、涙。
 第一人称で書いてあってぶれもなく、とにかく読みやすい作品。あんまり本を読まない人にもすすめやすい……かも。
 
フィリップ・リーヴ
移動都市
 60分戦争で世界が滅び、生き残った人類は、都市を移動させることで自然災害を乗り切った。都市同士が喰らい合う生存競争の最中、移動都市ロンドンは恐ろしいオールドテクを復活させるが……。
 少年少女が主役のジュブナイル的作品。戦争によって崩壊した世界とか、移動式都市とか、目新しさはありませんけど、逆に安心して読めます。
 そして、主要人物たちがバッタバタと倒されていく容赦のなさ。それでいて続編があるって言うから驚きです。
 
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
輝くもの天より墜ち
 かつて、美酒〈星ぼしの涙〉をめぐる悲劇が起こった惑星ダミエム。そこには、妖精のように美しいダミエム人たちが、連邦の厳重な庇護の元に暮らしていた。その惑星へ〈殺された星〉の最後のきらめき、ノヴァ前線が近づきつつあった。ふだんは、ヒューマンは3人の保護官しかいない惑星ダミエムに、観光客らがやってくるが……。
 同氏の『たったひとつの冴えたやりかた』でチラっとでてきた本がこれ。ダミエムを舞台に語られる物語は、たった24時間の出来事。その24時間がいかに長いか。そして、〈殺された星〉は、なぜ殺されねばならなかったのか?
 結末のさらにその先を考えさせる作品。
 
 ベストに入れるかどうかで大いに悩んだのか、こちら。
 
ディ・キャンブ
闇よ落ちるなかれ
 考古学者のパッドウェイは、どうしたことか6世紀のローマにタイムスリップしてしまった。パッドウェイは持てる知識と機転で自分の居場所を確保していく。そして、暗黒時代への突入を阻止すべく立ち上がるが……。
 パットウェイの努力の結果、身分が庶民から権力者になります。そのあたりから、おもしろさがトーンダウンしてしまったかなぁ、と。
 最初から最後まで、何から何までおもしろい作品というのは難しいですね。

 

 
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