書的独話

 
2011年のひとりごと
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02月06日 ある相撲人の生き方
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02月26日 伝承の行方
04月28日 満中陰
05月28日 いやー!な人
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10月09日 何度も読みたくなる本
11月14日 不具合本顛末記その2
12月31日 総括、2011年
 



 
 

 
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2011年05月28日
いやー!な人
 
 主人公が嫌な奴だと、読んでるこっちも苦痛だな……って思ってました。ポール・J・マコーリイの『4000億の星の群れ』を読んだときには。
 あまりに嫌すぎて、肝心の内容は素通り。どういう話だったかサッパリ思い出せません。それでも 

 とても嫌な奴だった!

 ということだけは記憶に刻まれてしまいました。
 そして、今回、その嫌さぶりを思い出させてくれたのが、アダム=トロイ・カストロの『シリンダー世界111』でした。
 出版社曰く……

『リングワールド』以上の特異な世界を舞台にミステリ仕立てで展開する傑作ハードSF

 というのは大嘘で、SF仕立てのミステリ。
 独立ソフトウェア知性集合体〈AIソース〉によって創られたシリンダー型世界111で、殺人事件が発生した。被害者は、知性体ウデワタリを調査している人類の外交団の一員。法務参事官アンドレアが駆けつけ調査に着手するが……。

 アンドレアは、犯人からと思われる脅迫にさらされながらも、事件に真っ向勝負でぶつかっていきます。
 このアンドレアが、嫌な感じの人なのです。
 とにかく冷淡で、かたくなに人付き合いを拒絶します。そういう主義になったのには理由があり、その理由もまた、物語に深く深くかかわっているのですが……。

 実はこのアンドレア、本当は嫌な人なんかじゃないんです。当初見せていた嫌な人ぶりは、物語の進行と共に、嫌な人じゃないぶりにとって代わられていきます。
 嫌な人を書くには、こうでなくては。

 いやー!

 まいりました。


 

 
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