書的独話

 
2012年のひとりごと
01月01日 展望、2012年
01月03日 灰色の世界
01月15日 2011年、ベスト
02月16日 おバカな買い物
03月31日 善人って・・・
04月13日 監視社会
04月14日 それもこれも猫なのだ
05月20日 『マーリー』
07月15日 封鎖都市
08月06日 挫折のタイミング
08月19日 『図書館ねこデューイ』
10月11日 子供から大人へ
12月31日 総括、2012年
 



 
 
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2012年05月20日
『マーリー』
 

 世の中には、犬派と猫派がいるそうで。
 どちらかといえば、自分は猫派。猫のからむ物語の方を選びがちです。とはいえ、別に犬を否定しているわけではありません。
 というわけで、犬派大絶賛、らしいノンフィクションに手を出してみました。

ジョン・グローガン
『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』
 子育ての練習にと、新婚のジョンとジェニーがひきとった仔犬のマーリー。頭がいいラブラドール・レトリーバーを選んだはずが、みるみる大きく育ってやんちゃなバカ犬になり、夫婦は数々の騒動にふりまわされることに。でも、出産、子育て、転職と人生の転機を支えあって乗り越えていく二人にマーリーは大切なことを教えてくれた—愛犬家を中心に絶大な支持を得て世界的ベストセラーに登りつめたエッセイ。
(「BOOK」データベースより転載)

 新婚のジョンとジェニーは、どちらも子供時代に犬と一緒に成長してきたので、たぶん、練習というのは口実。
 犬と暮らせる環境にいるのに飼わずしてどうする?
 ってところでしょうか。

 夫婦が向かったのは、素人ブリーダーのお宅。
 利益優先のブリーダーは避けるべきだと判断したから。その気持ちは分からなくもないけれど、プロのブリーダーが一律ダメというわけではないし、素人ブリーダーが最上かといえば、そういうわけでもないような……。
 最終的には、個人の考え方、ということになるのでしょうか。

 ブリーダーが提示した値段は、
  ・雌400ドル
  ・雄375ドル
 ジョンは、一匹の仔犬に目をとめます。すかさずブリーダーが一言。

 その子なら350ドルでけっこうですよ

 バーゲン品に目のないジェニーは、即決します。ジョンも、一応のテストはするものの、お買い得なその子に決めます。
 雌と雄の価格差は一般的だと思うけれども、交渉する前から割引されている仔犬って、どうなんでしょう?
 値段がものをいうなら、飼い主に見放された犬を検討してもよかったのでは?
 かつてジョンは、“完璧な犬”と誰もが認めるショーンを飼ってました。もしかして、ショーンは完璧だったのに、飼い主の方は雑種であることに引け目を感じていたのでしょうか?
 だとしたら、ちょっと残念。

 この安売りしてた仔犬が、世界一のバカ犬とレッテルを貼られてしまうマーリー。(飼い主の具合が悪いときには、おとなしく側に寄り添ってくれるいい子なんですが……)
 こうなってみるとブリーダーは、良心はなかったとしても、さすがに犬を見る目をお持ちだな、と。

 で、肝心の話はというと、マーリー中心に展開するのは少しだけ。家族の話の方が比重が大きいです。子供が産まれたり、転職したり、引っ越ししたり。
 犬の話かと思っていたので、少々物足りない。
 しかもこの家族は、マーリーがもう長くないと分かっているのに、ディズニーワールドに旅行に行ってしまうのです。もちろん、しっかりした動物病院に預けてはいますけれど。

 犬派の人が読むと、ちがう印象なのでしょうね。生活の中に溶け込んでいるマーリーを思って、頷いたりできるのでしょうね。
 やっぱり猫派なのだわ、と再認識した一冊でした。


 

 
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