書的独話

 
2015年のひとりごと
01月01日 展望、2015年
03月07日 電子書籍、ふたたび
03月29日 2014年、ベスト
05月20日 漫画解禁!?
06月01日 中間報告、2015年
06月23日 写楽の謎を追う
07月16日 直木賞と芥川賞、そして本屋大賞
07月19日 画像発掘
08月01日 移転しました!
08月26日 《居眠り磐音江戸双紙》読本
09月01日 神への長い道
10月10日 幕末だったのか
12月27日 そして繋がっていく
12月31日 総括、2015年
 
※今年は未年というわけで、羊のシルエットを画像に利用してみました。
シルエットは、デザイングループ「TOPECONHEROES」によるものです。
公式サイト「Silhouette design(http://kage-design.com/)

 



 
 
イラスト
 
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2015年03月07日
電子書籍、ふたたび
 

 記憶している中では、はじめて読んだ電子書籍といえばクリックブックシリーズの『ルル』でした。
 『ルル』は、書籍そのものがアプリケーション。音声付きの動く絵本のようでした。原作は、ロマン・ビクトル・プジュベ。すでに手放して久しいため、内容は確認できません。
 Amazonから情報をひろってみると、こんな感じ。

「BOOK」データベースより
 本のページをめくったとたんに3次元の美しい物語が始まります。伝統的な物語と最先端のインタラクティブ性が、この本でしか表現できないユニークかつオリジナル性の高い作品を誕生させました。子供から大人まで、誰でも楽しめる「ルル」。いつか見た夢がここにある。

「MARC」データベースより
〈CD-ROM付き〉この世の中のどこかにある、本の中の世界のお姫さまルルは、ある日ロボットのネモと出会い、二人の冒険がはじまります。CD-ROMを使って、パソコンで読むクリックブック。

 購入当時は、年に一回、MacWorld/EXPOが幕張で開催されていて、そこで90%offで買ったのでした。(当時もよく誤解されていたのですが、Macが開催してるWorld EXPOではないですよ。MacWorldという雑誌が開催していたEXPOです)

 その後、クリックブックシリーズの第二弾で『スノークィーン』が発売されてます。アンデルセンの『雪の女王』です。こちらは航本日誌に記録を残していて、日付は1999年02月22日。
 
 ゲルダとカイは仲良しだったが、悪魔の鏡の破片がカイの目と心臓に入り、カイは一変。ついには雪の女王に魅せられ、氷の国へと行ってしまった。残されたゲルダは、カイを捜しに旅立つが……。

 それから15年。
 2014年03月09日のこと。
 ようやく、手持ちのタブレット端末向けに電子書籍リーダー・アプリがあることに気がつきました。
 タブレットというやつは、どこでも気軽に使えるのが魅力。その一方で、パソコンなどと違って細かなモニタ設定ができません。そんなこともあって電子書籍に興味はなかったのですが、短編ならいけるんじゃないか、と思い立って、試してみることにしました。  無料データがありますしね。

 まずダウンロードしたのが、宮沢賢治の『猫』。
 『猫』は、「宮沢賢治は猫嫌い」説の根拠になっている、曰く付きの作品。実は、ここに登場する猫というのは一種の比喩で「嫌いではないのではないか」説もありますが、猫好きだという証拠もない。
 とても短いですので、青空文庫http://www.aozora.gr.jp/のデータを拝借して丸ごと掲載してしまうと、こんな作品。

『猫』宮沢賢治
(四月の夜、とし老(と)った猫が)
友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。
(アンデルゼンの猫を知ってゐますか。
 暗闇で毛を逆立てゝパチパチ火花を出すアンデルゼンの猫を。)
実になめらかによるの気圏の底を猫が滑ってやって来る。
(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)
猫は停ってすわって前あしでからだをこする。見てゐるとつめたいそして底知れない変なものが猫の毛皮を網になって覆ひ、猫はその網糸を延ばして毛皮一面に張ってゐるのだ。
(毛皮といふものは厭なもんだ。毛皮を考へると私は変に苦笑ひがしたくなる。陰電気のためかも知れない。)
猫は立ちあがりからだをうんと延ばしかすかにかすかにミウと鳴きするりと暗の中へ流れて行った。
(どう考へても私は猫は厭ですよ。)

 これで全文。
 短編だろうとは思ってましたが、ここまで短いとは。
 一冊の電子書籍として扱われていますが、はたして航本日誌で一冊読みましたよ、と載せていいものかどうか。どう考えたって、甘すぎでしょう。
 そんなことを考えて、読みました報告は控えてました。

 次の機会は、1年後。
 2015年03月07日のこと。
 所用でタブレットを持っていくときに暇つぶしの手段として、電子書籍を入れていくことにしました。短編だと暇がつぶれる前に読み切ってしまうかもしれないので、もうちょっと長そうなもの……というわけで選んだのが鈴木三重吉の『古事記物語』。

 2015年に入って、よくお邪魔する歴史ポータル・サイトで、古事記についての連載がはじまっていたので、その流れに乗ってみました。

 古事記といえば、現存する日本最古の歴史書です。歴史書といっても、ほとんど神話ですけど。かなり昔に読んだことがあるので、好きなエピソードだけ拾い読みでもいいかな、と。
 今回のは、児童文芸誌『赤い鳥』に連載された、子供向けの口語訳。戦前の口語なので、現代とはかなり違います。

 読んでみたら、サクサクと進む、進む。
 なんと、抄訳版でした。

 紙の本だとなんとなく文量の想像がつきますが、電子書籍だとそのあたりが分かりづらい。データとして、何ページですよ、という表示はあるんですよ。その数字が、実感が湧かなかったんです。
 慣れてくれば、分かるのでしょうか。

 さて、抄訳版とはいえ、ある程度まとまった文章を読んでみた感想は。
 便利ですし、今後もデータ入れて読んでみようかな、と。
 ただ、やはり見続けるのは目に厳しい。少し戻って読み返したくなったときには、紙の本の方が楽。データとして扱うときには、すごくいいんでしょうけど……。
 しばらくは、再読ものを少しずつ読み進める程度でつきあっていこうと思います。  


 

 
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