書的独話

 
2015年のひとりごと
01月01日 展望、2015年
03月07日 電子書籍、ふたたび
03月29日 2014年、ベスト
05月20日 漫画解禁!?
06月01日 中間報告、2015年
06月23日 写楽の謎を追う
07月16日 直木賞と芥川賞、そして本屋大賞
07月19日 画像発掘
08月01日 移転しました!
08月26日 《居眠り磐音江戸双紙》読本
09月01日 神への長い道
10月10日 幕末だったのか
12月27日 そして繋がっていく
12月31日 総括、2015年
 
※今年は未年というわけで、羊のシルエットを画像に利用してみました。
シルエットは、デザイングループ「TOPECONHEROES」によるものです。
公式サイト「Silhouette design(http://kage-design.com/)

 



 
 
イラスト
 
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2015年03月29日
2014年、ベスト
 

 2015年に入って4ヶ月近くが経過し、ようやく、2014年分の航本日誌を書き終えました。ある1冊の本との出会いが、いろんなところに影響を及ぼしてしまったのですが、それについては、後程また……。
 2014年に読んだ本ベストは、こちら。

アンディ・ウィアー
火星の人
 NASAの有人火星探査も3回目。だが、31日を予定していたミッションは6回目に中止となった。想定をうわまわる砂塵は収まる気配がなく、クルーたちの身に危険がせまっていた。だが、撤退中に事故が起こってしまう。吹き飛ばされたアンテナが、クルーのマーク・ワトニーを直撃したのだ。行方知れずとなったワトニーは死んだものと思われたが、実は生き延びていた。しかし、帰還手段も通信装置もなく、本当に死ぬのも時間の問題。ワトニーはさまざまな方策を考えるが……。
 これまで火星を読みたくなったときには、ジェフリー・A・ランディスの『火星縦断』(2006年、ベスト)を読んでました。今後はそこに『火星の人』も加わるな、といった一冊。
 どちらも火星が舞台で、その火星がまた厳しいのなんの。両書の決定的な違いは、暗いか明るいか。火星で暗いのが読みたいときには『火星縦断』でいいけれど、もうちょっとなんとかならないか、というときには『火星の人』で。
 火星じゃなくてもいいから、サバイバルしたいときにも、あり。

ジェラルディン・ブルックス
古書の来歴
 戦火で行方不明になっていたサラエボ・ハガダーが再発見された。ハガダーとは、ユダヤ教徒が過ぎ越の祭で使う書物。それを守ったのは、イスラム教徒だった。古書鑑定家のハンナ・ヒースは、修復のためにサラエボ・ハガダーに接し、その来歴をさぐっていくが……。
 一冊の書物の歴史をさかのぼっていくミステリ。伝えられて、守られて、守られて、作られて、描かれて、発見されて……。実質的には連作短編集。
 人生の、わずかな一時期を切り取った、まったく関係のない人たちの短い物語が、サラエボ・ハガダーをつうじてつながっていくさまは、連綿と続く人類の歴史のよう。誰もが、なにかを通じて、見ず知らずの人とつながっているのでしょうね。
 
ヴィクトル・ペレーヴィン
宇宙飛行士 オモン・ラー
 オモンの夢は、宇宙飛行士になること。そして航空学校に入学するが、そのときの面接試験が功を奏して、ソヴィエトKGB第一課付属機密宇宙学校に引き抜かれる。かくして宇宙飛行士になることの訓練が開始されるが……。
 ソ連ってやつは!
 世の中には、ネタバレが許せない物語と、結末が分かっていても楽しめる物語の2パターン存在すると思います。本書は前者だと思います。
 分かった上で読むのは、あり。でも、人から聞いてから読むなんて、もったいなさすぎる。
 
畠中 恵
しゃばけ
 一太郎は、廻船問屋兼薬種問屋、長崎屋の若だんな。齡三千年の大妖を祖母にもつ。一太郎の世話をあれこれと焼くのは、手代の佐助と仁吉。ふたりの正体は、犬神と白沢。祖母によって送り込まれてきた。というのも一太郎が、商売よりも病に経験豊富であるほど病弱であったから。
 両親も手代たちも、遠方まで噂になるほどの過保護ぶり。そんな一太郎が殺人事件に巻き込まれて……。

 2014年から今日にいたるまで、ばたばたしてしまっている元凶。第13回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作。好評ゆえにシリーズ化されて、今でも続いてます。
 おもしろくて、おもしろくて、読みまくりました。悪いことに、サクサク読めてしまう。しかも、このシリーズ、短編が基本なんです。
 私事ですが、短編って、航本日誌に書くのにすごく時間かかるんですよ。あの短い1作品に、長編と大差ない時間がかかっちゃう。というのは言い過ぎですが、気分的にはそのくらいかかる。
 それなのにどんどん読んでしまうから、未処理本が山となり、その山を前にして、新しい本を読むのをためらってしまう始末。おかげさまで、読書ペースが乱れまくって今にいたってます。
 つまり、ペースがかき乱されるほど、おもしろんです、この本は。

 では、ここで、ベストに入れるかどうか迷った挙げ句に見送った本を2冊、ご紹介。どちらも歴史もの。内容については「BOOK」データベースから引用しました。

冲方丁
天地明察
 江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること−−。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋! 早くも読書界沸騰! 俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

和田 竜
のぼうの城
 時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった−−。

 どちらも「本屋大賞」がからんでるんですね。2009年の次点が『のぼうの城』で、2010年の大賞が『天地明察』でした。


 

 
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