書的独話

 
2004年のひとりごと
03月28日 はじめに〜読書歴について
04月10日 本のえり好み
05月04日 本よみ中の思考(『悪魔のハンマー』篇)
05月23日 逢坂剛《御茶ノ水署》シリーズ
07月01日 読了本のなかった6月をふりかえり…
08月10日 再登場・本棚写真館
08月20日 第四次大改造について
08月29日 『インテグラル・ツリー』と『天の筏』
08月30日 再読・指輪物語
09月19日 感想を書くということ
09月20日 ちょっぴり古い新聞の切り抜き
10月03日 幼少時の読書
10月12日 中島敦「名人伝」あるいは「不射の射」
10月13日 今週のPickUp! Vippies
11月02日 超能力と異世界と
11月07日 初心者にすすめるSFって…
11月11日 『タイタンの妖女』〜『分解された男』
11月15日 ハヤカワ文庫SF・リスト
12月31日 総括、2004年
 

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2004年08月30日
再読・指輪物語
 
 かの有名な、トールキンの《指輪物語》三部作
  『旅の仲間
  『二つの塔
  『王の帰還
再読しました。

 望んではいなかった冒険で魔法の指輪を手に入れた、ビルボ・バギンズ。(『ホビットの冒険』がその冒険の記録)やがて指輪は、いとこにして養子のフロド・バギンズに譲られる。そして明らかにされる、指輪の正体。
 かつて中つ国に暗黒時代をもたらし、人間の王イシルドゥアによって滅ぼされた冥王サウロン。ふたたびその力を盛り返しモルドールに戻ったサウロンは、フロドの持つ指輪を欲していた。なぜなら指輪には、サウロンの力の大きな部分を吹きこんであったから。
 エルフ族が持つ三つの指輪。
 ドワーフ族が持つ七つの指輪。
 人の子が持つ九つの指輪。
 それらすべてを支配する、冥王サウロンの指輪。
 フロドは、魔法使いガンダルフに促され、ひそかに生まれ故郷を後にする。迫る刺客。エルフたちの忠告。古森の恐怖。
 道中、野伏の馳夫という道連れができ、守られ、傷つきながらも、目指す裂け谷にたどりつく。連絡のとれなかったガンダルフとも再開を果たした。しかし、旅は終わりではなかった。
 指輪が冥王サウロンの手に渡れば、暗黒時代が始まってしまう。かといって、用いるものを堕落させる指輪を使うことはできない。指輪は滅ぼさねばならないのだ。完全に。その方法はただ一つ。指輪がつくられた火の山に、モルドールの滅びの亀裂に指輪を投げこむのだ。
 仲間たちと共に、フロドは旅立った。

 指輪物語というと、最近映画化されて話題になりました。まだ第一部しか観ていませんが、風景にも役者にも不満はなく、楽しいひとときを過ごさせてもらいました。むろん違和感もなし。
 でも、こうして改めて読んでみると、やっぱり原作の方が……というのが正直なところ。イメージに合ってると思っていた役者たちの顔すら、活字になると当てはまらないから不思議です。

 再読して、最初とまったくちがう印象を残したのが、王の末裔アラゴルンと、半エルフ・エルロンドの娘アルウェンとの恋物語。
 初読時には、物語を追うだけでアップアップ状態だったんでしょうねぇ。二人の結末を知っているうえで読むと、随所に仄めかされていて、びっくりです。
 こんなあからさまに書かれていて、なんで気がつかなかったのだろう???

 またしばらく時間をおいて、それから読むと、まったく別の面に目を奪われそうです。まだまだ語り尽くせない名作です。


 

 
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