1997年も現在と同じく100冊程度の読書量だったと思いますが、記録の残っているのは25冊分のみ。図書館通いをしていた頃なので、おそらく、興味深かったもののみ記録を残したものと思われます。
元々の記録がそんな状態なもので、そこからさらにベストを選ぶのはもう大変。どれもこれもおもしろかった記憶が……。とりあえず、その後もたびたび再読している2冊をピックアップした次第です。
村上 龍『五分後の世界』
現在とは5分ずれているもう一つの日本では第二次世界大戦で降伏せず、今でもゲリラ戦をつづけている。ただのチンピラだった小田桐はパラレルワールド日本に迷いこみ、生きるための戦いをはじめるが……。
きっかけは、新聞のSF関連の書評コラム。刊行は1994年3月なのでコラムもその頃のものでしょう。それから3年もたっているので、もしかしたら再読だったかもしれません。
この本は、はじめて読んだ村上龍作品です。その後、片っ端から読みあさりました。それなのにいつしか読まなくなったのは、まぁよくいう指向性の不一致。この本と続編の『ヒュウガ・ウイルス』は今でも読んでますけど。
(2001年1月、2003年7月にも読書記録が残ってます)
大原まり子『アルカイック・ステイツ』
太陽系には3つの勢力が存在していた。太陽系最高司令官アグノーシアと、宇宙航行種族による権威評議会。そして、古代銀河帝国アルカイック・ステイツの蜃気楼。ステイツのスポークスマンであるテロリスト・スラウチは、アグノーシアの姉アヴァターと結婚し、アグノーシアを告訴するが……。
大原まり子は前々から読んでいて、これもそのうちの一冊。
何度も読み返してますが、最初に読んだときに結末が好きになれなかった印象が強くって、再読しても最後まで読み切らない習慣がついてしまいました。そんなわけで、常に読了にはいたらず。記録に登場することもなし。肝心の結末がどんなものだったか、もう忘れてしまいましたが。
読むと、A・E・ヴァン・ヴォクトの『武器製造業者』に強い影響を受けているのが分かります。大原まり子色もふんだんに溢れてますが。
ベストに入れるかどうかで悩んだのが、
ロバート・T・バッカー『恐竜レッドの生き方』
恐竜ユタ・ラプトルのメス“レッド”を軸に、白亜紀の1年を追いかける物語。
当初は「愛読書」に入れる予定があったので外しました。入れる準備のために2004年1月に再読したのですけど、どうも迷ってしまってお蔵入り。最近SFばかり読んでいるので、こういうのも読んでますよ〜と示す意味でも、積極的に入れるべきなんでしょうけど。