ロバート・J・ソウヤー『フレームシフト』
ピエールはある晩、ネオナチの若者に襲われた。襲撃はかわしたものの、なぜネオナチに目をつけられたのか、皆目見当もつかない。そんなピエールに、ナチスの戦犯を追っている連邦捜査官が接触してきた。ピエールの上司クリマスが、ある逃亡戦犯に似ているというのだが……。
完全に人ごとですけれど、大変な病気だなぁ、と。難病情報データベース(http://www.nanbyo.or.jp/)によると、欧米では人口10万人あたり4〜7人なのに対して、日本では0.4人しかいない病気だそうです。それだからか、幸い、ワタクシのまわりにはいらっしゃいません。
と思っていたら、も一つ、出てきました。
カート・ヴォネガット『ガラパゴスの方舟』
経済危機が世界的規模で進行し、人類は滅びるにいたった。バイア・デ・ダーウィン号に乗船した数人の男女を残して……。彼らは、ガラパゴス諸島サンタ・ロサリア島に漂着する。そしてふたたび進化の道をたどったのだった。
脇役ですが、やがて全人類の祖先となるアドルフの弟ジークフリートが保有者で、発病します。同じ確立で保有者になったかもしれないアドルフは遺伝子をついでおらず、新人類たちはハンチントン病を知らずに進化していったのでした……。
あまね書房に掲載した書籍は再読も含めて646冊。たったそれだけしかないのに、2人も発病した人がでたって、すごい確立だなぁ、と。
ところでこの病気、当初はハンチントン舞踏病と呼ばれていたそうです。それがハンチントン病という呼び名に推移していったのは、神経症状からくる舞踏運動が絶対的にでてくるわけではない、ということが分かってきたから。
というわけで、1985年に書かれた『ガラパゴスの方舟』では一貫して“ハンティントン舞踏病”という表記になっている一方、1997年の『フレームシフト』では、“ハンチントン舞踏病”だったり“ハンチントン病”だったりになってるようです。読んだときにはまったく気にかけてませんでした。パラパラとめくった感じではどうも、主人公の幼少期には当時使われていた“ハンチントン舞踏病”を、大人になってからは改められた“ハンチントン病”に変えてあるような……。。
また再読するときには、注意してみます。