2008年12月23日
時の流れと《ネシャン・サーガ》三部作
前々から気にはなっていたのですが、児童文学という私にとってはハードルがあって、読まずじまいだった《ネシャン・サーガ》三部作。
ついに手を出しました。
ラルフ・イーザウ
『
ヨナタンと伝説の杖』
『
第七代裁き司の謎』
『
裁き司 最後の戦い』
イェーヴォー神の息子のメレヒ=アレスは、父神をまねて天地創造を行った。しかし、世界は悪しきものに満たされ、見かねたイェーヴォーは、造られた世界を涙の地〈ネシャン〉と名付け、裁き司を派遣した。
裁き司たちは使命を果たしていくが、第六代裁き司ゴエルは傲慢の罪を犯してしまう。イェーヴォーに、与えられた杖〈ハシェベト〉を奪われ、深く反省したゴエルは、〈英知の庭〉でのみ生きることを許される。
それから200年。
メレヒ=アレスを崇める闇の国〈テマナー〉が勢力を拡大しつつあった。そんなある日、光の国〈セダン〉で〈ハシェベト〉が見いだされる。発見したのは、年若いヨナタン。
ヨナタンは杖の運び手として、〈英知の庭〉へと旅立つ。イェーヴォーを信じ、仲間と共にさまざまな困難を乗り越え、いつか現れる第七代裁き司ゲシャンに、ゴエルから杖を渡してもらうために。
ゲシャンこそ、〈ネシャン〉を洗浄する使命を背負った最後の裁き司。予言の成就は、ゲシャンの誕生と活躍にかかっているのだ。
一方、イギリスでは、異世界〈ネシャン〉とヨナタンを夜ごとに夢見るジョナサンがいた。夢が始まったのは、病を得て足が不自由になったころ。以来、ヨナタンの冒険の数々を共にしてきた。
ジョナサンにとって、ヨナタンは自分の分身。ところが、ヨナタンが〈ハシェベト〉を運ぶ旅に出ると状況は一変。ジョナサンは、現実世界の記憶を失うようになってしまう。
ヨナタンの使命は果たされるのか?
ジョナサンの運命は?
予言は実現するのか?
ちょっと腑に落ちないところもありましたけど、児童文学にしては、なかなか。いろいろ手が込んでて、続きを読むのが楽しみなシリーズでした。
第一部で、ヨナタンが旅に出ます。
第二部は、旅の続き。ゲシャンが登場します。
第三部は、第七代裁き司となったゲシャンの冒険。
で、ここで、ひとつだけ。
第二部の最後に裁き司となったゲシャン。(このゲシャン、正体はバレバレなんですが、それはいいとして)〈英知の庭〉でゴエルから教育を受けることになります。そして、第三部が始まって旅に出るのですが……
その間、たった3年なのです。
ちょーっと短すぎません?
オトナ目線で言うと、年若いゲシャンは10年修行したって、まだ若い。けど、子供たちからすれば、10年たてばもうオヤジ。読み手の子供たちと主人公の年齢差があんまり開くとよくないので、圧縮しちゃった?
なんてことを考えてしまいました。
実際問題、10年の歳月が流れていたらどうなったでしょうねぇ。さらにいいものになったかもしれないし、ガタガタになったかもしれないし。
難しい問題です。