それは前々から分かってはいたことですが、今回、ロイス・マクマスター・ビジョルドの
『チャリオンの影』(1908/3)
『チャリオンの影』(1909/10)を読んで、
おや?
と、改めて思ったのです。
いえね、2008年に読んだときには、傑作に思えたのですよ。あらゆる出来事が結末へとなだれこむ、まぎれもない傑作、と。実際のところ、2008年ベストにしてます。
通常なら、再読するときには2〜3年開けるのですが、おもしろかった記憶が鮮明すぎて、今回は1年ちょっとでふたたび読んでしまいました。
そうしたら、なんだかアラが目についてしまって……。
つまらなくなったわけではなく、依然としておもしろさは横たわっているものの、なんだか物足りない感じ。
なんで、そうなるの?
なんで、こうならないの?
なんでなの?
前回は、大満足だったのにな。
今回は、中満足といったところ。
傑作って「個人の価値観が基準で、絶対的な物差しではない」というのは重々承知していましたが、同じ人の中でも、読むタイミングによって、ちょっぴり変わってしまうのですね。
すべての本と、傑作に思えるタイミングで出会いたいものです。