書的独話

 
2009年のひとりごと
01月01日 展望、2009年
01月02日 2008年、ベスト
01月10日 復讐するは我にあり
02月01日 この猫を見よ
03月25日 猫のいる世界
04月07日 宇宙への切符
05月10日 旅の寄り道
05月14日 クローンたち
08月16日 SF ATB
10月11日 すべてはタイミング
12月31日 総括、2009年
 

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2009年10月11日
すべてはタイミング
 
 本を読むタイミングって、重要だな、と。
 遅い時間に読み始めると、夜更かしすることになるおそれが高まる……なんて話ではなく、読む時期のこと。
 その本を読む準備が、読み手側に整っているのかどうか、という話。

 それは前々から分かってはいたことですが、今回、ロイス・マクマスター・ビジョルドの
チャリオンの影(1908/3)
チャリオンの影(1909/10)を読んで、

 おや?

 と、改めて思ったのです。
 いえね、2008年に読んだときには、傑作に思えたのですよ。あらゆる出来事が結末へとなだれこむ、まぎれもない傑作、と。実際のところ、2008年ベストにしてます。

 通常なら、再読するときには2〜3年開けるのですが、おもしろかった記憶が鮮明すぎて、今回は1年ちょっとでふたたび読んでしまいました。
 そうしたら、なんだかアラが目についてしまって……。
 つまらなくなったわけではなく、依然としておもしろさは横たわっているものの、なんだか物足りない感じ。

 なんで、そうなるの?
 なんで、こうならないの?
 なんでなの?

 前回は、大満足だったのにな。
 今回は、中満足といったところ。

 傑作って「個人の価値観が基準で、絶対的な物差しではない」というのは重々承知していましたが、同じ人の中でも、読むタイミングによって、ちょっぴり変わってしまうのですね。

 すべての本と、傑作に思えるタイミングで出会いたいものです。


 

 
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