書的独話

 
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2010年01月24日
指輪物語・追補編
 
 いつかは読みたいな、と思ってはいたものの、手出ししてこなかった『指輪物語 追補編』をついに読みました。本書には、トールキンの《指輪物語》で書かれた世界の、成り立ちや歴史などが載ってます。
 
J・R・R・トールキン
指輪物語 旅の仲間
指輪物語 二つの塔
指輪物語 王の帰還
 滅んだはずの冥王サウロンが復活しつつあった。サウロンが求めているのは、己の力を注ぎ込んで造り上げた“ひとつの指 輪”。今では、温厚なホビット族のフロドが所有している。フロドは、魔法使いガンダルフに促され、指輪を葬り去る旅へと出発するが……。
 
 読んではなかったのですが、だいたいの内容は聞いてました。《指輪物語》で活躍した、ガンダルフの正体とか、アラゴルンやギムリ、レゴラスのその後のこととか、いろいろ載ってるよ〜って。
 実は、読む前は航本日誌に載せるつもりでした。でも、実際に読んでみたら、航本日誌掲載基準の「物語」とは、ちょっと違うかな、と。
 本編に入りきらなかったエピソードが短編的に載っているのかと思ったら、さにあらず。でも、せっかくなので、書的独話でご紹介します。
 
 追補編は、《指輪物語》の舞台となった中つ国の言葉で書かれたものを英語に翻訳したもの、という前提で書かれてます。もちろん、それからさらに日本語訳されているわけですが。
 
 まずあるのは、年代記。
 かつて栄えたヌメノール王朝や末裔たち、エオル王家、ドゥリンの一族。そして、西方諸国の歴史。旅の仲間となった面々のその後のことも、ちょこちょこと触れられてます。ほんとに、サラっとですが。
 
 ホビットたちのこと。
 家系図やら、暦法やら、言葉やら。
 
 言語学上の参考資料。
 ここが、言語学者だったトールキンらしいな、という部分。言葉に興味がある人は、すごくおもしろいのでしょうねぇ。やや飛ばし気味に読んでしまいましたが。
 
 巻末には、翻訳に関わった田中明子氏による固有名詞便覧。
 巻末と言っても、全体の4割程を占める文量があります。意味をつかめないまま読み飛ばしていた事項を、見たりしてみました。使い勝手、という点からは改善の余地があるような気がしますが、かなり重宝。
 
 全体的に、中つ国にどっぷり浸かりたい人向けでした。中つ国ではなく《指輪物語》そのものが好きな人には、どうかなぁ、というのが正直なところ。拝読して理解が深まったとは思いますが……。
 
なお、《指輪物語》については下記の書的独話でもとりあげてます。
 ・2008年05月23日「活字と映画と歴史の『指輪物語』
 ・2004年08月30日「再読・指輪物語

 

 
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