2年ぶりに、読みました。
ロイス・マクマスター・ビジョルド
『チャリオンの影』
奴隷に貶められていたカザリルは、無一文ながらもついに帰郷。縁あって、国姫イセーレの教育係兼家令となった。平和な日々が過ぎ、イセーレに、異母兄の国主オリコからカルデゴスの宮廷に出仕する命が下される。カザリルも共にカルデゴスに赴くが……。
ふいに、ところどころが思い出されて、もう居ても立ってもいられずの再読でした。
前回読んでから2年ばかり過ぎてましたが、読むのが3回目ともなると、さすがにきちんと覚えているもので……。その分、ハラハラドキドキはありませんけどね。大満足に読み終えたのでした。
ところで、今回の再読で思い立って、自分がどのくらい再読しているのか、ちょっと見てみました。こういうとき、読書記録が残っていると便利ですね。
一時期、再読を積極的にしていていて、二度読んだ、という本はそれなりにあるのですが、意外と三度以上は稀なようでした。何度も読まない、というのには、理由があると思います。
未読の本もたくさんあるので、再読に手が回らない。
読んであっても内容を忘れてしまうこと、よくあります。ただ、二回読むと記憶の定着率がよくなるようで、
読むの3回目だけど、この展開忘れてた!
という経験がない……というか、3回も読む気になる本の内容は忘れないものなのでしょうか。まだ見ぬ世界があるのに、ばっちり覚えている本に時間をかけることに気後れしてしまうのかもしれません。
そしてもうひとつ。
実はひそかに読み返しているけれど、最初から最後まで通しては読まないので、記録に残らないだけ。
とりわけ作品集に、この傾向が強いように思います。ジャック・ヴァンスの「月の蛾」(収録『20世紀SF・3』)は名作だぁ、と思って何度も読んでいますが、本としては読み切ってないので、記録に出てくるのは1回だけ。
こういう場所で、もうちょっと書くべきなのかもしれませんね。
そんなハードルがあってもなお、何度も読む本もあるわけです。今回は、3回以上、記録が残っている本をピックアップしてみました。(調査のきっかけとなった『チャリオンの影』は除く)
ただ、この10年でかなり読書傾向が変わってます。10年前はよく読んでいたけれど、もう手放してしまった…そんな本は除きました。
それと、リンクは最新の記録へとつなげてます。本の内容についてはリンク先をご参照いただきたいのと、それ以前の記録については、書名順や作者別のリストをご活用ください。
J・R・R・トールキン
《指輪物語》
『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』(2008/5)
2002年にようやく読んで、2004年に再読。2008年に、映画「ロード・オブ・ザ・リング」のDVD(スペシャル・エクステンデット・エディション版)を入手して、それですごく読み返したくなったものでした。
当時の書的独話(2008年05月23日 活字と映画と歴史の『指輪物語』)にも書いてます。長い物語なので、少しだけ読み返すことも少なくないです。
ロバート・T・バッカー
『恐竜レッドの生き方』(2009/11)
1997年、2004年、2007年、2009年、と4回の読書記録。
最初の再読で7年も空いているのは、借り読みだったため。また読みたくなったときにはすでに絶版。思い出すたびに探索してみて、ついに手に入れたのが2004年だったのです。
ロバート・J・ソウヤー
『占星師アフサンの遠見鏡』(2011/9)
どういうわけだが、5年ごとに読んでます。そして購入は2回。初版で買い逃して古書店で見つけたものの、その後復刊されて買い直しました。
三部作の第一部なのに続編を読む夢はいまだに叶えられず……。
酒見賢一
『後宮小説』(2007/12)
記録の上では、一番読んでいる本です。
1998年に単行本で借り読みして、文庫版が発売されたので購入して読んで……。合計5回、読んでます。短いので、読み返しやすいのでしょうね。
天藤 真
『大誘拐』(2010/5)
一時期、天藤真の本はひとそろい所有してました。それがスペースの都合で次々と手放し……最後に残ったのがこの本でした。残ったどころかくたびれてきているので、そろそろ買い直すようです。
ロバート・A・ハインライン
『夏への扉』(2009/1)
翻訳SFで、名作と呼ばれる本ってたくさんあると思います。その中で、どうしてこの本だけがたびたび読み返されているのか? 自分でも不思議に思います。おそらく……猫が活躍するから、読み通してしまうのでしょう。
アン・マキャフリイ
『ネリルカ物語』(2007/6)
マキャフリイの《パーンの竜騎士》シリーズの外伝です。
シリーズの他の作品は2回ずつ読んでます。この本だけ3回なのは、短いので読み返しやすいからでしょう。ちょっと作品の世界にひたりたい、けれどつまみ読みでは物足りない……というとき、読んだのでしょうね。