書的独話

 
2015年のひとりごと
01月01日 展望、2015年
03月07日 電子書籍、ふたたび
03月29日 2014年、ベスト
05月20日 漫画解禁!?
06月01日 中間報告、2015年
06月23日 写楽の謎を追う
07月16日 直木賞と芥川賞、そして本屋大賞
07月19日 画像発掘
08月01日 移転しました!
08月26日 《居眠り磐音江戸双紙》読本
09月01日 神への長い道
10月10日 幕末だったのか
12月27日 そして繋がっていく
12月31日 総括、2015年
 
※今年は未年というわけで、羊のシルエットを画像に利用してみました。
シルエットは、デザイングループ「TOPECONHEROES」によるものです。
公式サイト「Silhouette design(http://kage-design.com/)

 

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2015年05月20日
漫画解禁!?
 

 疎遠になっていたのは事実ですが、特段、禁じてはいませんでした。漫画を読むことを。ただ、漫画で書かれる日本語が気になることが多くって、積極的に読む気になれなかっただけ。
 漫画には校正作業がないのかしらね?
 そんなこんなで、めずらしく航本日誌に漫画が登場しても、未知の作品、ということはありませんでした。

 前回の登場は、2013年。
 中山星香『妖精国の騎士』でした。
 記録によると、2001年にコミックスの第39巻を読んで以来。全54巻で完結したというのをたまたま耳にして、文庫版で大人買いして読みました。
 正直なところ、思い出を大切にしておくべきだったかも。

 その前はというと、2011年の、 水樹和佳子『イティハーサ』。再読。
 2000年に読んだときには(記録には残ってませんが)途中まで読んでいたけれど……のパターンでした。その後2003年にも読んでます。
 この方の日本語は美しいんです。ただ、漫画のような、決して長くない文章の中でこそ成立する美しさだな、と。

 それから、同年の宮崎駿『風の谷のナウシカ』。再読。
 判型が大きいために保存場所に困って手放すけれど、また読みたくなって買うこと3回。現在は、また読みたくなったときのためにしまってあります。
 2011年のときにも書きましたが、あれこれ言いにくい作品になってしまったな、と。(2002年に再読したときには、名作だと書いていますが…)

 沢田翔の『魔狼王烈風伝』は2009年。
 やはり結末が気になったパターン。今より20年くらい前にはよく読んでいた作家さんでした。
 どういうご事情か、とんでもない遅筆で、続刊が待ちきれなかったのが、待たなくなっていって、ついには気にもしなくなった、と。
 
 その前になると、一気に飛びます。
 いずれも中山星香の作品で、2001年の『7番目の少年』と2000年の『はい どうぞ!』。
 前者はおそらく、かつて読んでいたものが文庫でまとめられたから買ってしまったもの。後者は再読。
 2000年には松本零士の『銀河鉄道999』や、ますむら・ひろし(宮沢賢治/原作)『銀河鉄道の夜』、萩尾望都(光瀬龍/原作)『百億の昼と千億の夜』なんてのも読んでいるけれど、おそらくこれは、手放す前にもう一度、というパターン。

 あとは、1999年に松本零士の別の作品をいくつか読んでいるくらい。松本零士の世界観にはテレビアニメでよく触れていましたが、原作は読んでいなかったので、おそらく初見。
 ここまで遡るのですね。
 16年前まで。

 それが、どういう風の吹き回しか、読んでしまいました。

村上もとか
JIN −仁−
 外科医の南方仁は病院の階段から落ち、気がつけば江戸時代にタイムスリップしていた。
 時は1862年。明治元年の6年前。仁は、己の行動によって歴史が変わってしまうことを恐れるが、やがて、この時代で医師として生きる決心を固める。だが、あまりに進んだ仁の現代医術を、快く思わない者たちがいた。
 妨害や疑惑をはねのけ、仁は、自分ができることをしようと、医療に邁進するが……。

 2009年にテレビドラマ化されて、話題になったのは知ってました。それが、そもそもの始まり。
 ただし、ドラマ本編は見ておらず、映像で拝見したのは、続編が2011年に作られたとき。それまでの展開をダイジェストにまとめたものでした。(だったと思う)
 以来、なんとなく気にはなっていたのです。
 気になり始めてから実際に読むまで、4年という年月がかかったのには理由があります。ここ16年ほど、知らない漫画作品を読むことはありませんでした。それだけ読まずにいると、気になっただけでは手が伸びないんです。

 きっかけは、時代ものを読むようになっていたこと。
 日本人作家の本も読みたいけれど、現代ものってどうも肌に合わない。それならば時代ものだ、というわけで、細々と読んでいたのですね。
 そのような流れもあって、歴史をテーマにしたポータルニュースサイトを度々訪れるようになってました。

 それが、
BUSHOO!JAPAN(武装ジャパン)

 エンターテイメントとアカデミックの間をとりもちつつ、一緒にワクワクしようじゃないの、というサイト。
 複数のライターが、古今東西のさまざまなネタを扱ってます。なによりいいのは、書きすぎないこと。
 歴史上の人物や事件を紹介するけれど、だいたい概略どまり。詳しく知りたかったら自分で調べるべし、と。

 2015年4月の13日〜15日にかけて、3つのコラムが掲載されました。カテゴリーとしては「ウソホント」。
(直リンクは設けませんが、TOP PAGEに検索窓がありますので、どうぞさがしてみてください)

・『JIN−仁−』緒方洪庵(武田鉄矢)の真実
 「ドラマ・漫画」以上に熱くて優しい大先生だった

・『JIN−仁−』江戸のリアル医療事情
 そもそも庶民は病院に足を運んだのだろうか?

・『JIN−仁−』の舞台となった江戸時代
 実は医学が劇的進歩をしている最中だった!?

 昨今の大河ドラマなどは、素人目にもありえないことが少なくなくって、武装ジャパンでも毎回つっこまれてます。ドラマだからって・・・云々。
 そんなところで、不可能だし史実も無視しているけれど、と但し書きをつけつつも『JIN−仁−』には好意的な論調でした。
 曰く

>「一人の未来人医師が江戸時代にタイムスリップしたらこうなる」
>その想像を巧みに活かせたストーリー展開となっている。

 そこまで言われたら、読んでみたくなるよねぇ。
 こういう風の吹き回しだったのです。

 この次、漫画を読むのがいつになるのか分かりませんが、すでに完結しているものなら、選択肢に入れてもいいかな、と小生意気にも思った次第です。


 

 
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