書的独話

 
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2024年09月23日
宇宙からのホットライン
 

 アンドロメダ座から送られてきた信号を受信することからはじまるSFを2冊、読みました。
 1981年に翻訳出版されたものなので、ようやく、といったところですが。

フレッド・ホイル&ジョン・エリオット
アンドロメダのA

 20世紀後半、イギリスが開発した世界最大の電波望遠鏡は、宇宙からの未知の電波信号を受信した! アンドロメダ座を発信源とするこの通信文の解読に成功した若き科学者フレミングは、通信内容に基づき超大型コンピューター建造を政府に要請した。完成されたコンピューターは次々と生命の謎を解き明かし、科学者たちを狂喜させた。だがその時すでに、それは人類の指令を無視し、独自に恐るべき活動を開始していた……謎の通信文を送ってきた異星生命体、彼らは、果たして何を目論んでいるのか? 世界的天文学者の手による、BBCで爆発的人気をよんだテレビシリーズの小説化!

(引用:早川書房)

フレッド・ホイル&ジョン・エリオット
アンドロメダ突破

 宇宙の彼方、アンドロメダ座からの通信に従って建造された巨大コンピューターは、貴重なデータともども破壊され、灰と化した。その頃より、異常な嵐がヨーロッパを中心に吹き荒れ、各地で原因不明の呼吸困難による死者が続出しはじめた。果して、これはコンピューター破壊に報復するアンドロメダ座の高等生物の仕業なのか? それとも……? 一方、悪辣な国際組織インテルは、新興国アザランと結託して世界支配を目論み、異星の知能を利用するために恐るべき陰謀をめぐらせていた……。科学者作家フレッド・ホイルが『アンドロメダのA』の大好評に応えて送る待望の続編!
(引用:早川書房)

 異星人による送信の目的とはなんなのか?
 そういう話ではないです。
 人類の脅威として異星人を利用した印象。異星人が到着する際のいろいろを省くために信号に留めておいた、といったような。
 そのためか、信号は終了し二度と捕えられなくなってます。

 受信して関係者がざわめいていたときには『へびつかい座ホットライン』が脳裏にちらついてました。

ジョン・ヴァーリイ
へびつかい座ホットライン

 外宇宙から侵入した謎の物体によって地球を破壊された人類は、水星、金星、月、火星など八つの植民地で、ふたたび独自の文明を築きあげていた。その発展は、へびつかい座70番星の方向から超タイトビームで送られてくるメッセージなしには不可能だった。だがこの〈へびつかい座ホットライン〉の真の目的は……? クローニング、性転換、臓器移植、サイボーグ化が日常茶飯事となった世界を洗練された筆致で描いた本格SF
(引用:早川書房)

 こちらの送信は、へびつかい座から。
 受信した情報を利用していた人類でしたが、ついに支払いが求められます。この物語は、条件を拝聴するために旅立つ話でもあります。
 この記憶があったため「アンドロメダ座からの通信!」となったとき、支払いは大丈夫か、考えてしまいました。
 そういう話じゃなかった、とだけ書いておきます。

 発表時期は、アンドロメダ座は1964年、へびつかい座は1977年。異星人からの信号があるんじゃないかと、検討し始められていた時代だったのでしょうか。

 ちなみに、メッセージがくる系で一般にもよく知られているのは、カール・セーガン『 コンタクト』だと思います。映画化されてますし。こちらは、1985年です。

 では、現在はどうなっているのか。

 SETIという活動は耳にしてます。
 SETIプロジェクトとは、地球外知的生命探査(Search for Extraterrestrial Intelligence)の略称です。天空にエイリアンを見つけようとする科学的な企てのことです。

 SETIは、一時期ほどは話題に登らなくなってきている気もしますが、打ち切られてはいません。
 関心が向いたところで、読んでみました。

キース・クーパー
『彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学』

 最新鋭の望遠鏡や探査機の力で、宇宙の「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」や「テクノシグネチャー(技術痕跡)」の研究が加速して、いよいよ地球外知的生命探査(SETI)は次のステージへ!
 エイリアンは本当に存在するのか、どのような環境で暮らしているのか、異星文明の科学力はどれくらいか、彼らと交信することはできるのか、もし会ったらどうなるか……。気鋭の科学ジャーナリストが宇宙科学のトップランナーへ取材を重ね、さらには心理学・人類学・歴史学などの知見をも駆使して大胆予測!
「生命」や「知性」の定義を根本から再考し、「われわれは宇宙で孤独か」「われわれは何者か」という究極の問いに挑む。

(書籍紹介文)

 原書は2019年なので、本書でいう「最新科学」とは2019年の最新です。翻訳は2021年のため、訳注で「2020年では」と補足もありました。いずれにせよ、数年前のことです。

 彼らはどこにいるのか、そうしたタイトルから、SETIの最新報告のようなものを想像してました。
 読んでみたら、SETIでやっていることに留まらず、もっと根本的なことを考察した奥深い本でした。

 各章のサブタイトルが内容を要約しているので、章題と併せてご紹介しておきます。

第1章「利他行動の仮定」エイリアンは地球人に親切か
第2章「知能」エイリアンとコミュニケーションができるか
第3章「故郷」地球以外に住みやすい星はあるか
第4章「星間ツイッター」地球外からのメッセージは見つかるか
第5章「銀河帝国」エイリアンは宇宙に進出しているか
第6章「ふたつの時計」宇宙で文明はどれだけ続くか
第7章「地球からのメッセージ」エイリアンとのコンタクトは危険か
第8章「二一世紀のSETI」なぜエイリアンを探すのか

 メッセージを送るのだってタダじゃない。それでもなおメッセージを送ろうとする動機はなんなのか。
 親切心か、悪意か。

 考えさせられました。


 

 
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