

今回のテーマは、終末。
終末を迎えつつある世界が舞台。突然の終末ではなく、ごく一部の終末ではなく、皆が知ってる終末。
終末後ではなく、今まさに終わりつつある世界が舞台の物語を集めてみました。
隕石が地球に迫っていて防ぐことはできない。
最終戦争で世界が荒廃し、どうやら人類ダメっぽい。
ウィルスが蔓延して危機的状況。
などなど。
そんな終末です。
逃げ道はない。
そんなとき、人々はどうするか。
終末から復興しつつある世界は除外しました。
終末ではあるけれど実際の終わりは数世代先であるような、長い緩慢な最後を迎えているものも除外しました。
また、終末にともなう世代宇宙船も。
それらは別の機会に取りあげます。
主に滅びの原因について書きました。
簡単なコメントをつけてありますが、記憶があやしくなっている本がいくつかあります。参考のため読了年を添えてあります。昔に読んだものほど憶えていない確立が高いです。
■天文学的な問題■■■ ▲目次に戻る▲
■《最後の刑事(ラスト・ポリスマン)》ベン・H・ウィンタース
『地上最後の刑事』
『カウントダウン・シティ』
『世界の終わりの七日間』
読了2022年。
直径6・5キロメートルの小惑星〈マイア〉が地球に衝突する確立は100%。人々は絶望にかられ、自殺者が続出している。
三部作は、世界が滅びようとしている6ヶ月前にはじまり、滅亡で終わる。主人公は犯罪捜査部成人犯罪課の刑事。
ミステリ作家が書いたもので、SF作家の書く終末とはひと味違う。
■《レディ・アストロノート》メアリ・ロビネット・コワル
『宇宙へ』
『火星へ』
読了2022年。
1952年。巨大隕石がメリーランド州沿岸海上に落下。ワシントンDCを中心に半径数百キロが消滅し、世界は津波に襲われた。環境の激変で、地球が人の住めない星になることが確定する。
改変歴史もの。
終末とはいえ一気にそうなるわけではない。とはいえ無駄にできる時間などあるはずがなく、人類は宇宙に進出していく。
そんな状況でもはこびる差別がやるせない。
■《破壊された地球》N・K・ジェミシン
『第五の季節』
『オベリスクの門』
『輝石の空』
読了2024年。
地殻変動により、地球の大陸はスティルネスのみになっている。スティルネスでは、数百年ごとに〈第五の季節〉と呼ばれる大規模な天変地異が発生し、文明が崩壊の危機に立たされる。
三部作は新たな〈第五の季節〉からはじまり、そもそものはじまりも語られる。
■『七人のイヴ』ニール・スティーヴンスン
読了2020年。
なんらかの理由で月が砕け散り、発生した破片は互いにぶつかりあい砕けていく。無数の破片で地球が不毛の大地になることが確定。すでに軌道上をめぐっているISSを核に、地球のすべての遺伝的遺産を軌道に移す計画がはじまる。
宇宙で生き残れるのは、たったの1500人。
そりゃ争いにもなるよねって。
■『地球最後の日』フィリップ・ワイリー&エドウィン・バーマー
読了2011年。
地球との衝突軌道にあるふたつの放浪惑星が発見される。
ひとつは地球よりはるかに大きく、地球が破壊されてしまうのは間違いない。もうひとつが、破壊された地球の後釜として公転軌道に乗ることが判明し、移住計画がはじまる。
■「方舟(アーク)」ベロニカ・ロス
収録『フォワード 未来を視る6つのSF』
読了2023年。
小惑星が地球と壊滅的衝突を起こすことが判明してから20年。一般人たちは地球から脱出済。できるかぎり多くの遺伝物質を保存するため、専門家が最後まで残って作業している。
短編ゆえ、主人公まわりに限定して語られる。
■戦争■■■ ▲目次に戻る▲
■『渚にて 人類最後の日』ネヴィル・シュート
読了2018年。
1961年にはじまった戦争で北半球が放射能に汚染された。放射能は徐々に南下してきており、南半球も時間の問題。そんな中、難をのがれた原子力潜水艦〈スコーピオン〉が調査のため北に向かう。
1957年の作で古いとはいえ、人間の心理は変わらない。
■『世界の終わりの天文台』リリー・ブルックス=ダルトン
読了2022年。
文明世界と切り離された北極圏の山の頂きの天文台に、戦争の噂が届いてから1年と少し。もはやなんの連絡もなく、どうも滅亡したらしい。ひとりで暮らしていた老科学者は、少女の出現に驚く。
一方、木星調査をして帰還しつつある宇宙船〈アイテル〉も、やはり地球と連絡が取れずにいる。
世界でなにがあったのか、まったく語られないのがミソ。あるのは憶測だけ。
■パンデミック■■■ ▲目次に戻る▲
■『エンド・オブ・オクトーバー』ローレンス・ライト
読了2023年。
インドネシアの難民キャンプで、致死性の高い謎の疾患が発生する。難民キャンプを封鎖し感染を押さえこもうとするが失敗。世界に広がってしまう。
発表は2020年4月。予言の書などとも呼ばれていた。
■『天才感染症』デイヴィッド・ウォルトン
読了2024年。
アマゾンで未知の菌が発生する。感染すると脳にとりつき思考能力を飛躍的に高めるが、忠誠を示す相手が変わってしまう。感染経路も、誰が感染したのかもまるで分からない。
主人公の自覚のない天才っぷりが清々しい。
■『12モンキーズ』エリザベス・ハンド
読了2005年。
謎の集団にまかれたウィルスが変異し、世界中で50億もの人々が死に絶えた。地表は死のウィルスが蔓延し、生き残った人々は密閉した地下都市で暮らしている。
服役囚が減刑と引き替えに、過去に赴き、変異する前のウィルスを手に入れようとする。
映画のノベライズ。
あまり終末世界はでてこなかったかも……。