書的独話

 
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03月20日 ネコひねり問題
04月10日 鼻行類
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05月27日 SF映画と科学
06月30日 中間報告、2024年
07月31日 源氏物語を知る
08月08日 究極の書物
09月23日 宇宙からのホットライン
10月21日 ノーベル文学賞
11月03日 合言葉は【終末】
12月31日 総括、2024年
 

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2024年11月03日
合言葉は【終末】
 

 今回のテーマは、終末。
 終末を迎えつつある世界が舞台。突然の終末ではなく、ごく一部の終末ではなく、皆が知ってる終末。

 終末後ではなく、今まさに終わりつつある世界が舞台の物語を集めてみました。
 隕石が地球に迫っていて防ぐことはできない。
 最終戦争で世界が荒廃し、どうやら人類ダメっぽい。
 ウィルスが蔓延して危機的状況。
 などなど。

 そんな終末です。
 逃げ道はない。
 そんなとき、人々はどうするか。

 終末から復興しつつある世界は除外しました。
 終末ではあるけれど実際の終わりは数世代先であるような、長い緩慢な最後を迎えているものも除外しました。
 また、終末にともなう世代宇宙船も。
 それらは別の機会に取りあげます。

 主に滅びの原因について書きました。
 簡単なコメントをつけてありますが、記憶があやしくなっている本がいくつかあります。参考のため読了年を添えてあります。昔に読んだものほど憶えていない確立が高いです。

■■■だいたいの分類、目次■■■

  ▼天文学的な問題
  ▼戦争
  ▼パンデミック
 

■天文学的な問題■■■ ▲目次に戻る▲

■《最後の刑事(ラスト・ポリスマン)》ベン・H・ウィンタース
 『地上最後の刑事
 『カウントダウン・シティ
 『世界の終わりの七日間
 読了2022年。
 直径6・5キロメートルの小惑星〈マイア〉が地球に衝突する確立は100%。人々は絶望にかられ、自殺者が続出している。
 三部作は、世界が滅びようとしている6ヶ月前にはじまり、滅亡で終わる。主人公は犯罪捜査部成人犯罪課の刑事。
 ミステリ作家が書いたもので、SF作家の書く終末とはひと味違う。

■《レディ・アストロノート》メアリ・ロビネット・コワル
 『宇宙へ
 『火星へ
 読了2022年。
 1952年。巨大隕石がメリーランド州沿岸海上に落下。ワシントンDCを中心に半径数百キロが消滅し、世界は津波に襲われた。環境の激変で、地球が人の住めない星になることが確定する。
 改変歴史もの。
 終末とはいえ一気にそうなるわけではない。とはいえ無駄にできる時間などあるはずがなく、人類は宇宙に進出していく。
 そんな状況でもはこびる差別がやるせない。

■《破壊された地球》N・K・ジェミシン
 『第五の季節
 『オベリスクの門
 『輝石の空
 読了2024年。
 地殻変動により、地球の大陸はスティルネスのみになっている。スティルネスでは、数百年ごとに〈第五の季節〉と呼ばれる大規模な天変地異が発生し、文明が崩壊の危機に立たされる。
 三部作は新たな〈第五の季節〉からはじまり、そもそものはじまりも語られる。

■『七人のイヴ』ニール・スティーヴンスン
 読了2020年。
 なんらかの理由で月が砕け散り、発生した破片は互いにぶつかりあい砕けていく。無数の破片で地球が不毛の大地になることが確定。すでに軌道上をめぐっているISSを核に、地球のすべての遺伝的遺産を軌道に移す計画がはじまる。
 宇宙で生き残れるのは、たったの1500人。
 そりゃ争いにもなるよねって。

■『地球最後の日』フィリップ・ワイリー&エドウィン・バーマー
 読了2011年。
 地球との衝突軌道にあるふたつの放浪惑星が発見される。
 ひとつは地球よりはるかに大きく、地球が破壊されてしまうのは間違いない。もうひとつが、破壊された地球の後釜として公転軌道に乗ることが判明し、移住計画がはじまる。

■「方舟(アーク)」ベロニカ・ロス
  収録『フォワード 未来を視る6つのSF
 読了2023年。
 小惑星が地球と壊滅的衝突を起こすことが判明してから20年。一般人たちは地球から脱出済。できるかぎり多くの遺伝物質を保存するため、専門家が最後まで残って作業している。
 短編ゆえ、主人公まわりに限定して語られる。
 

■戦争■■■ ▲目次に戻る▲

■『渚にて 人類最後の日』ネヴィル・シュート
 読了2018年。
 1961年にはじまった戦争で北半球が放射能に汚染された。放射能は徐々に南下してきており、南半球も時間の問題。そんな中、難をのがれた原子力潜水艦〈スコーピオン〉が調査のため北に向かう。
 1957年の作で古いとはいえ、人間の心理は変わらない。

■『世界の終わりの天文台』リリー・ブルックス=ダルトン
 読了2022年。
 文明世界と切り離された北極圏の山の頂きの天文台に、戦争の噂が届いてから1年と少し。もはやなんの連絡もなく、どうも滅亡したらしい。ひとりで暮らしていた老科学者は、少女の出現に驚く。
 一方、木星調査をして帰還しつつある宇宙船〈アイテル〉も、やはり地球と連絡が取れずにいる。
 世界でなにがあったのか、まったく語られないのがミソ。あるのは憶測だけ。
 

■パンデミック■■■ ▲目次に戻る▲

■『エンド・オブ・オクトーバー』ローレンス・ライト
 読了2023年。
 インドネシアの難民キャンプで、致死性の高い謎の疾患が発生する。難民キャンプを封鎖し感染を押さえこもうとするが失敗。世界に広がってしまう。
 発表は2020年4月。予言の書などとも呼ばれていた。

■『天才感染症』デイヴィッド・ウォルトン
 読了2024年。
 アマゾンで未知の菌が発生する。感染すると脳にとりつき思考能力を飛躍的に高めるが、忠誠を示す相手が変わってしまう。感染経路も、誰が感染したのかもまるで分からない。
 主人公の自覚のない天才っぷりが清々しい。

■『12モンキーズ』エリザベス・ハンド
 読了2005年。
 謎の集団にまかれたウィルスが変異し、世界中で50億もの人々が死に絶えた。地表は死のウィルスが蔓延し、生き残った人々は密閉した地下都市で暮らしている。
 服役囚が減刑と引き替えに、過去に赴き、変異する前のウィルスを手に入れようとする。
 映画のノベライズ。
 あまり終末世界はでてこなかったかも……。


 

 
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