

2024年が終わりました。
毎年、毎年、あっと言う間ですね。
それでは、2024年を振り返ります。
まずは、航本日誌。
2019年から毎年「総数で月に10冊、最終的に年間100タイトル」を読むことを目安にしてます。月単位なので、長めの本を読む代わりに短めの本で時間調整したりもしました。なかなかコンスタントに読めたと思います。
結果は、こんな感じです。
1月、11冊(10タイトル)
2月、10冊(9タイトル)
3月、10冊(10タイトル)
4月、10冊(10タイトル)
5月、11冊(11タイトル)
6月、10冊(9タイトル)
7月、10冊(10タイトル)
8月、11冊(10タイトル)
9月、10冊(8タイトル)
10月、10冊(7タイトル)
11月、10冊(7タイトル)
12月、11冊(9タイトル)
124冊110タイトル。
たくさんのおもしろい本にも出会うことができました。
今年はさらに、前年に日本人作家の本を1冊も読まなかったのを反省して、月に1冊は日本人作家の本を読もうと目標をたててました。それと、漫画も1冊くらいは、と。
意識したおかげで、以前から読んでいる作家、新しい作家、久しぶりの作家と月に1〜3冊読むことができました。
漫画もひとつだけ(全6巻)ですが読みました。
漫画には漫画のよさがありますね。
つづいて書的独話。
どうもサボりがちなので、月に1度は更新の目標死守、という意気込みでした。一応、目標はクリアしてるといったところ。年間2件の「合言葉シリーズ」もなんとかクリア。
とはいうものの、推敲に手間取り、アップが大幅に遅れてしまうことが頻発してもいました。
表面上は目標どおりできてますが、猛反省してます。
なお、宇宙事業は更新する予定もなく、案の定なにもしない一年でした。
それでは、月毎に振り返っていきます。
1月
今年は、日本人作家の本も読む!
ということで読み初めに、池波正太郎『闇の狩人』を選びました。池波正太郎は、2019年に『獅子』を読んで以来になります。
やはり安心して読めるのと、驚きもあって……。1年ほどが経過しただけで、なにに驚いたのか忘れている自分にもびっくりです。
2月
2024年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公は、紫式部。
ということで、その時代の情報を仕入れる目的もあり、冲方丁『はなとゆめ』を読みました。紫式部のライバルとウワサの清少納言の独白をつづったものです。
ドラマでは、紫式部と清少納言は「同志!」といった雰囲気でした。学のある女性が少なかった時代ですから、そうなるのも頷けます。
ところで、ずっと清少納言の区切りは、清少/納言だと思ってました。正しくは、清/少納言だとか。命名の由来を考えてみれば、そうですね。
3月
10年ぶりに、レイ・ブラッドベリ『華氏451度[新訳版]』を再読。前回は旧版で、今回は新訳版。
実は、発売直後に新訳版を買ってたんです。それから、ずーーーっと読んでませんでした。本棚に並べっぱなし。
読んでいなかったことに今ごろ気がつき、ようやく読んだ次第です。もったいないことをしました。
4月
2月に引き続き、紫式部に絡んで冲方丁『月と日の后』を読みました。紫式部が仕えることになる彰子(しょうし)の独白をつづったものです。
彰子は藤原道長の娘で、天皇の后となり、また天皇の産みの母として太皇太后となった女性です。紫式部はほとんど出てきませんでしたが、時代の勉強になりました。
ところで、ドラマでは彰子を「あきこ」としてましたね。音読みか、訓読みか。どちらが正しいのかは分かってないそうです。
5月
2025年の大河ドラマ「べらぼう」の主人公は、蔦屋重三郎。しがない貸本屋から江戸のメディア王へと上り詰めた町民です。田沼意次の時代、喜多川歌麿や葛飾北斎が活躍しました。
というわけで、梶よう子『北斎まんだら』を読んでみました。主人公は、北斎の弟子入り志願者。どうやら「べらぼう」との接点はなさそう。
お栄がいたのはうれしかったなぁ。2018年に、朝井まかて『眩(くらら)』を読みましたが、葛飾北斎の娘、お栄が主人公でした。
6月
今年のイチオシの本、
アンソニー・ドーア『すべての見えない光』を読みました。
昨年はローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』でしたが、舞台となるのは同じ時代、第二次世界大戦です。かたやフィクション、かたや史実ベースのもの……といった違いはありますが、どちらも、断章を積みあげていくスタイルをとってます。
そういう書き方が好きなんだな、と再確認しました。
7月
2024年の大河ドラマ「光る君へ」も折り返しを過ぎました。もしかして『源氏物語』を読んでおくとより楽しめるのでは……と思い、小泉吉宏 『大掴源氏物語 まろ、ん?』を読みました。
書的独話「源氏物語を知る」で書いてます。
現代語訳の『源氏物語』ではなく、筋を紹介してくれる解説本です。いずれは、きちんと読みたいものです。
8月
先月の26日からパリ・オリンピックが開催されてますが、どこ吹く風でした。
なにか、オリンピックとまではいかないまでもスポーツにちなむような物語を読めばよかったな、と思うものの後の祭り。
9月
ついに、久しぶりの漫画を読みました。
ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』です。映画一作目は視聴したことがあるので、予備知識がある、というところです。
ローマの様子を見せてくれる……。
文字だけの小説にはない、漫画ゆえの醍醐味ですね。
10月
前作から1年6ヶ月。カルロス・ルイス・サフォン《忘れられた本の墓場》四部作、第二部『天使のゲーム』を読みました。
毎度のことながら、己の忘却力には驚かされます。前作『風の影』で自分が書いた紹介文を読んだりして、記憶を絞り出したうえで読みました。
シリーズものは短いスパンで読もうと、改めて思った出来事でした。
11月
2日、ニック・ハーカウェイ『世界が終わってしまったあとの世界で』を読みました。この本を意識して11月03日付けで「
合言葉は【終末】」を書きました。
終末がでてくる物語を集めるつもりでリストアップすると、あるわ、あるわ。あれもこれもとどんどん増えていき、やむなく範囲を狭めることにしました。
その結果、そもそもの発端だった『世界が終わってしまったあとの世界で』が次の機会になったうえ、最終的に公開できたのが12月08日。反省してます。
12月
1日から25日にかけて、SNSでアドベント・カレンダーを実施しました。2000年からはじめて1年ずつ、その年のイチオシ本をご紹介する企画です。
航本日誌に書いてあることなので、他の方々がされているものに比べれば、はるかに楽。とはいえ、140文字におさめるため悩みまくりました。
問題は、最終の25日に2024年のイチオシが発表になる、というところ。
その後、大晦日までにもっといい本を読んでしまったら?
その危険を回避するため、12月24日から、トマス・マロリー『アーサー王物語』を読みはじめました。全五巻のため、年内までに読み終わることはあるまい、と思って。
参考までに、SNSで書いたアドベント・カレンダーを転載しておきます。ご笑納ください。
−−−
2024年12月01日〜
SNS[タイッツー](アカウント【amane_ra】)より
「#あまねのアドカレ2024」で、前フリ、後書きも読めます。
なお、2010年だけは長文投稿機能を使ってます。
ときどき「。」が抜け落ちているのは、140文字に収めるために端折ったからです。また、それぞれ航本日誌へのリンクを設定しました。
2000年のイチオシ
『われはロボット』アイザック・アシモフ
ロボット心理学者のキャルヴィン博士が振り返る、ロボット開発にまつわる連作短編集。
有名なロボット工学三原則あり、それに反した行動の謎あり。いろんなアプローチを楽しめるのは短編集ならでは。
2001年のイチオシ
『大誘拐』天藤真
チンピラ3人組に営利誘拐された老婦人が、犯人グループの主導権をにぎって家族に100億円を要求するユーモア・ミステリ。 携帯電話もネットもない時代(70年代)を楽しんでほしい。
でもね、笑いだけじゃないんだよ。根底にあるのは怒りなの。
2002年のイチオシ
「月の蛾」ジャック・ヴァンス(収録『20世紀SF・3』/作品集『奇跡なす者たち』)
仮面を常用する民族のなかに逃げ込んだ凶悪犯罪者をさがすSFミステリ。
会話するとき、自分や相手の格に合った楽器を奏でながら歌わなきゃならなくて、よそ者は大変なのよ。
2003年のイチオシ
『雷電本紀』飯嶋和一
伝説の相撲人、雷電為右衛門の生涯を扱った伝記的小説。常に真剣勝負をすることで雷電は、出し物になってしまった江戸相撲を変えていく…。
交流のある商人の視点も入れて、江戸中期を垣間見せてくれます。
大相撲を見る目が変わる。
2004年のイチオシ
『黄金の羅針盤』フィリップ・プルマン
《ライラの冒険》3部作初巻。舞台は、この世界と似ているけれど微妙にちがう世界
少女は摩訶不思議な真理計を手に、誘拐された親友を助けるため北極へと旅立つ。
真実のなんと残酷なこと!
2005年のイチオシ
『渇きの海』アーサー・C・クラー
事故で、塵をたたえた〈渇きの海〉に沈んだ月の観光遊覧船をめぐる救出劇。
救助する側とされる側と外野と、各方面から楽しめる。アポロが月に行く前(!)に書かれたので実際の月とは違うけど、それにしたって月がいい。
2006年のイチオシ
該当なし
今だったら、コニー・ウィリス『航路』にしたかもしれない。
認知心理学者と神経内科医が組み、死に瀕している脳のサバイバル・メカニズムを解き明かそうと悪戦苦闘。
ドタバタ喜劇と真面目なストーリーとが絡み合う、臨死体験テーマの医学ミステリ
2007年のイチオシ
『輝くもの天より墜ち』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
ノヴァ前線が近づきつつある惑星ダミエムでの24時間のドラマ。
ダミエムの凄惨な歴史と、殺された星の悲劇と、訪問者たちの思惑。 あらゆるものが伏線となって結末に雪崩れ込む。確か。
2008年のイチオシ
『チャリオンの影』ロイス・マクマスター・ビジョルド
くたびれた主人公と、呪われた王室と、宮廷の陰謀と、神々の思惑が渦巻く骨太ファンタジー。
架空世界だけど、ベースはレコンキスタ時代の南ヨーロッパ。知ってると別の楽しみ方ができる…かも。
2009年のイチオシ
該当なし
今だったら、ロバート・A・ハインライン『ダブル・スター』にしたかもしれない。
売れない俳優が、政敵に誘拐された著名政治家の替え玉として一世一代の大芝居! 身も心も演じきったら太陽系帝国の運命まで担うハメになってしまった政治小説。
2010年のイチオシ
『ハンターズ・ラン』ジョージ・R・R・マーティン&ガードナー・ドゾワ、ダニエル・エイブラハム
辺境植民星サン・パウロで、雲隠れを決め込んだ犯罪者が謎の異種族に捕らえられ、正体不明の人間を捕獲する手伝いをさせられる、追いつ、追われつな冒険小説
本作は、マーティンとドゾワのお蔵入りになってたリレー小説を、エイブラハムがまとめたもの。
土台がリレー小説なので、予想外の転がりかたをする。そこがおもしろい。
ストーリーもおもしろいかといえば、そうとも言い切れないのが辛いところ。
2011年のイチオシ
『エラントリス 鎖された都の物語』ブランドン・サンダースン
光輝と魔法がみなぎる偉大な都市〈エラントリス〉が一瞬にして滅亡した後の物語。
崩壊の謎と周辺国にのびる帝国の魔の手と、その他諸々がまぜまぜこねこねされて手に汗握っちゃう群像劇。
2012年のイチオシ
『探索者』ジャック・マクデヴィット
9000年前に行方不明となった伝説の星間植民船〈探索者〉を求めて、古美術商とその相棒が調査しまくる遠未来での古代史ミステリ。
史上空前の大発見の可能性に、商売敵たちの思惑もうごめき出す。
コンビの温度差が絶妙。
2013年のイチオシ
『カメレオンの呪文』ピアズ・アンソニイ
《魔法の国ザンス》シリーズ初巻。魔法に満ち満ちたザンスで、魔法の力を発揮できないがために追放されそうになっている青年が、自身の魔法を求めザンスを旅して右往左往。
ほんと、いろいろあるのよ。いろいろ。
2014年のイチオシ
『火星の人』アンディ・ウィアー
トラブルにより、ひとり火星に取り残されてしまった宇宙飛行士が、能力をフル活用して火星サバイバル。
気づいた地球側も、帰還のため総力をあげてバックアップ。 嫌な人がいないのがいい。意地悪なのは自然だけでいい。
2015年のイチオシ
『コフィン・ダンサー』(ジェフリー・ディーヴァー
四肢麻痺の科学捜査専門家《リンカーン・ライム》2作目。
裁判の証言予定者が殺し屋に狙われ、警察に依頼されたライムが殺し屋探しをする。出し抜いたり抜かれたり、裏をかいたりかかれたり、駆け引き満載。
2016年のイチオシ
該当な
今だったら、ネヴィル・シュート『パイド・パイパー 自由への越境』にしたかもしれない。
戦時下、南仏に滞在する英国老人がダンケルク撤退を耳にして帰国を決意。ドイツ軍に占領されつつある中、(他人の)子供を連れて脱出を試みる。
善意がキラリ
2017年のイチオシ
『書店主フィクリーのものがたり』ガブリエル・ゼヴィン
幼児を託されてしまった意固地な男やもめ書店主フィクリーが、世界に心を開いていく。
本があって、本を愛する人たちがいる、本をめぐる物語。だけでなく、置き去りにされた幼児をめぐる謎も。
涙、涙
2018年のイチオシ
『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』リチャード・アダムズ
ウサギ視点で語られる大冒険もの。 ウォーターシップ・ダウンに新たな村を築き、発展させていく主人公ウサギの成長物語と、時折はさまれるウサギたちの神話の数々。
猫が悪者でも許すよ。
2019年のイチオシ
該当なし
今だったら、ニール・ゲイマン『墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活』にしたかもしれない
一家殺害を生き延びた赤ん坊が、墓地の特別住民権を与えられて幽霊たちに育てられる成長物語
イギリス人は児童文学だからって容赦しない
2020年のイチオシ
『カッコーの歌』フランシス・ハーディング
死んだはずの者から届く手紙、冬をまとう女、いい子でいるために自分がふつうでないことを隠す子供…。
冷たく張りつめた雰囲気と、数々の不思議と、謎が盛りだくさんのダークファンタジー。
迷宮だった。
2021年のイチオシ
『魔術師ペンリック』ロイス・マクマスター・ビジョルド
好奇心旺盛な貧乏田舎貴族の末っ子が、思いがけず〈魔〉を譲り受け神殿魔術師になる連作中編集。
自身に宿る〈魔〉の助力を得て事件に挑む。余韻、残りまくり。 ペンリックの育ちのよさが心地いい。
2022年のイチオシ
『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』スザンナ・クラーク
魔術が消えて久しい19世紀初頭の英国が舞台の歴史改変もの。 クソ真面目なノレルとお気軽なストレンジ…性格も気性も目的もすれ違う師弟とアレコレ。
しっかりした土台の安心感よ。
2023年のイチオシ
『HHhH プラハ、1942年』ローラン・ビネ
1942年。チェコの亡命政府が、第三帝国で最も危険な男と怖れられたハイドリヒ暗殺計画を立案する。
実行役と標的の悲喜交々…という史実を書く者の、悪者を非人間的に、英雄をカッコよくみせたい欲求との葛藤に共感。
2024年のイチオシ
『すべての見えない光』アンソニー・ドーア
第二次世界大戦下、ドイツに占領されたフランスの城壁街サン・マロに連合軍の爆撃機が迫りくる。16歳の盲目の少女と、18歳のドイツ人技術兵と、至宝〈炎の海〉をめぐる物語。
すべてを書かないところがいい。