クリスマスが近づいてくると読みたくなる本があります。
オースン・スコット・カード
『消えた少年たち』
フレッチャー夫妻は熱心なモルモン教徒。夫ステップの仕事のため、ストゥベンへと越してきた。だが、新しい上司とうまくいかない。一方、息子のスティーヴは学校でいじめを受けていた。ついには空想の友だちと遊ぶようになってしまうが……。
2005年に読んで、その6年後に再読。
毎年、毎年、クリスマスが近づいてくると読み返したくなるんです。というのも、結末がクリスマスの物語だから。
でも、覚えているんですよね、内容を。
さすがに一字一句ではありませんが、あんなシーン、こんなシーン、いろいろと思いだせます。どうせ読み返すなら、ほどよく忘れたころに読み返したい。なのに、なかなか記憶から消えてくれない。
名作故のジレンマ。
今年も読みたくなりました。
でも、やっぱり忘れてない。そこで今年は別の、クリスマス時期を舞台にしたミステリにいってみました。
キャロル・オコンネル
『クリスマスに少女は還る』
クリスマスも近いある日、ふたりの少女が行方不明になった。ルージュは警察官として誘拐事件に関わるが、実は15年前、ルージュの双子の妹スーザンも、クリスマス休暇の直前にさらわれ殺害されていた。犯人とされた男は刑務所にいる。ふたつの事件は関連しているのか?
さて、今回、ネタバレがあります。
どちらも読んでない方は、ご覚悟ください。
実は、ふたつのミステリには、共通点があります。
『クリスマスに少女は還る』を読んだとき、
これって『消えた少年たち』と同じだよね。
と、言いたくなりました。
それだけなのに。それがネタバレになってしまう。なのでここで書きました。
『消えた少年たち』では少年たちが行方不明になり『クリスマスに少女は還る』では少女たちが行方不明になる。
事件の扱い方は、かなり違います。
『消えた少年たち』では、遠景にすぎません。同じ町の出来事とはいえ、消えていく少年たちの存在は、どこか遠くで起こっていること。主人公にとっては他人事。
真相を知るまでは。
『クリスマスに少女は還る』では、当事者たちが主人公。なので事件がクローズアップされます。
誘拐事件に対するアプローチがまるで違う。でも、結末は一緒なんです。
クリスマスに奇跡が起こる!
ある人にとっては奇跡とは呼べないでしょうけど。
まったく別の本で似たような奇跡が起こるので、ふと考えました。クリスマスに奇跡が起こることはキリスト教の地域では一般的なことなんでしょうか。
まぁ、奇跡が起こるとしたらクリスマスなんでしょうけど。