言葉は時代とともに変わっていくもの。
よって「正しい日本語」なんて存在しない。
そんなスタンスを貫かれているのが、『三省堂国語辞典』の編集委員である飯間浩明氏。日本語の専門家です。
新しい言葉に敏感で、こんな使いかたがあるんだ、こんな表現はじめて聞いた、などなど、おもしろがっておられるところに好感をもっています。もちろん専門家ですので、新しい用例に感嘆するだけでは終わりません。
Twitter(@IIMA_Hiroaki)などで、かつて使われていた例なども紹介してくれてます。
その言葉をどう使うか、決めるのは自分。
人の言葉を自分の基準で判断するのは……?
書籍が発売になるときには宣伝もされていますが、なかなか読む機会がなく、今回、ようやく、ようやく読みました。
2021年11月の刊行なので、随分たってしまいました。
飯間浩明
『日本語はこわくない』
普段使っている日本語でも「これでいいのかな?」と迷ってしまった経験、あなたにもあるのでは。SNSで日本語警察に「間違い」を指摘されて、「自分の日本語は変かな?」と不安を感じたこともあるかもしれません。 でも、心配ご無用。日本語をこわがる必要はないんです。
本書では、『三省堂国語辞典』の編集委員が、日本語を使うコツを分かりやすく説明し、あなたのモヤモヤを解消してくれます。 ひとつひとつの話題はコンパクトで、文字も大きく、誰にでも読みやすい文章。話の最後にはまとめもついています。
「『普通においしい』って、どんな意味?」「『こんにちわ』か? 『こんにちは』か?」など、誰もが一度は戸惑う日本語の問題が、本書を読めばすっきりと理解できるはず。長年のモヤモヤが晴れて、気持ちがラクになること請け合いです。
(引用:「BOOK」データベース)
なにか文章を書くときって、感覚ベースで言葉を選びがち。迷ったときには確認もしてますが、ひとこと、ひとこと、すべてを調べるのは現実的ではありません。
ときには、はっきりと説明はできないけれどこれが正しかろう、ということもあります。
そんなちょっとあいまいだった言葉も、本書できちんとした裏付けのある解説を読んで納得することができました。なんとなく使っていたことが、こういう背景があって、こういう由来があって、こういう理由があって……と説明されるとすっきりしますね。
本書は、それほど厚くもなく文字も大きめで、載っている事項は多くはありませんが、役に立つこと請け合い。
読んでよかった。