書的独話

 
2023年のひとりごと
01月01日 展望、2023年
01月05日 事件の舞台
02月12日 2022年、ベスト
02月26日 FBIの捜査官みたいに見える
03月27日 作家の国籍を調べる
04月10日 日本語再発見
05月03日 世界の不思議な言葉
05月05日 日本人再発見
06月12日 猫文学
06月30日 中間報告、2023年
07月06日 記憶の片隅
08月27日 合言葉は【猫】改訂版
09月29日 文明をつくる
10月23日 史実の物語
11月08日 猫という動機
12月31日 総括、2023年
 

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2023年12月31日
総括、2023年
 

 2023年もついに終了。
 今年もあっという間でした。
 では、2023年を振り返ります。

 まずは、航本日誌
 2019年から毎年「総数で月に10冊、最終的に年間100タイトル」を読むことを目安にしてます。
 今年はさらに、ちょっと長めのものを積極的に読んでいこうと、年初には考えてました。
 結果は、こんな感じです。

  1月、10冊(7タイトル)
  2月、10冊(7タイトル)
  3月、10冊(7タイトル)
  4月、10冊(8タイトル)
  5月、10冊(8タイトル)
  6月、10冊(5タイトル)
  7月、10冊(10タイトル)
  8月、10冊(9タイトル)
  9月、10冊(9タイトル)
  10月、10冊(10タイトル)
  11月、10冊(10タイトル)
  12月、10冊(10タイトル)

 最後の3ヶ月は単巻ものばかりになってしまいましたが、それなりに長い物語に接することもできました。
 気がつけば翻訳ものばかりになってしまった……というのは反省点でしょうか。漫画も読みませんでした。それらは来年以降の課題、ということで。
 
 次に、書的独話
 年に2件のペースでリストをつくってきた「合言葉シリーズ」を、ちょっとひねったテーマで……なんて言ってましたね。今になって思い出しました。
 終わってみれば「猫」の改訂をしただけ。
 下半期でやろうなんて考えているうちに忘れてしまってました。やはり、先にやるべきでした。反省してます。
 月に一項目以上、という目標は果たせました。これだけでも達成してホッとしています。

 それから、宇宙事業
 Twitterだったのがいろいろ変わった、というのも反映してますが、なんと、新たなサイトをご紹介することができました!
 ようやく更新できました。
 レイアウトはそのまんまですが。

 それでは、月毎に振り返っていきます。

1月
 ちょっと変わった本を読みました。
 スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』。11歳で夭折した天才作家についての伝記を隣家の少年が書いた……という設定のフィクション。
 もちろん、ミルハウザーが隣家の少年だった、というわけではないです。子どもが子どもを見つめて書いたように読める、凝った本でした。

2月
 この月の白眉は、ミロラド・パヴィチ。
ハザール事典[女性版]夢の狩人たちの物語』と『ハザール事典[男性版]夢の狩人たちの物語』は、ほとんど内容が同じものでした。
 ハザールという、実在したけれども実態が分かっていない国を想像で作り上げ、史実の出来事に関連した事典という体裁になってます。
 あとがきは、ハザール発見についてとりあげられてましたが、それまでが作り物のように思えてしまったものでした。(あとがきのハザール発見は事実)

3月
 ローレンス・ライト『エンド・オブ・オクトーバー』は、予言の書などといわれたパンデミックもの。コロナ禍の出来事を彷彿とさせる内容でした。
 それだけに、そうはならなかったな……というところもありました。
 予言の書もなかなか大変ですね。

4月
 ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』 を読んだことで、後々、本を読む人たちとの話題が広がりました。
 狙っていたわけではなかったのですが、古典とよばれる本は読んでおくべきだと再認識しました。

5月
 12日に、待ちに待ったゲームが発売されました。
「ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・キングダム」です。発売されてしまえば読書時間が激減するのは目に見えてました。そこで、5月はその日までに9冊と半分を読み切って備えてました。
 結果、大成功。やはり、備えあれば患なしですね。

6月
 2023年で最長となる、セルバンテス『ドン・キホーテ』を読み切りました。上巻3冊、下巻3冊の全六巻です。内容は聞いたことがありましたが、きちんと読むのははじめて。想像していたのとは、少々違ってました。
 自分で確かめるのは大切ですね。

7月
 新しい「タイッツー(https://taittsuu.com/)」というSNSをはじめました。それまでの「Twitter」がいささか不安定で、仕方なく……といったはじめかたでしたが、これが大成功。
 年末の今に至るまで、心地よく過ごさせてもらってます。

8月
 エイモア・トールズの『モスクワの伯爵』は、ボリシェヴィキ政府のお目こぼしで生きながらえた伯爵の半生記。ソヴィエトという国ができて身分を否定され、そのとき暮らしていたホテルに軟禁状態となります。
 まるでノンフィクションのように始まりますが、フィクションです。このノンフィクションのような書き方が好きなんだな、と自分の趣向を再発見することができました。

9月
 新しいSNS「タイッツー」で「#こんなところにも猫」というタグを作りました。本を読んでいて猫が出てきたらメモっておこうと思って。
 8月にこの書的独話で「合言葉は【猫】改訂版 」を書いたため、それまで、メモ代わりにしていた「猫が出てきた本についての追記ページ」を終了してました。その代わりです。

10月
 ローラン・ビネの『HHhH プラハ、1942年』に衝撃。7月にレオ・ペルッツ『スウェーデンの騎士』を読んだときには、この本が今年のベストだろうな……と思ってました。
 前言撤回。
 ビネの『HHhH プラハ、1942年』を読んでしまったら、どんな本も色褪せてしまう。それほどの衝撃でした。

11月
 ジャック・ヴァンスの『竜を駆る種族』を再読しました。この本を前回読んだのは、2005年05月です。ふと奥付を見ると、2006年11月!
 新装版が出たので買いはしたものの、まったく読んでなかったんです。
 17年も!
 自分にびっくりしてしまいました。

12月
 古典中の古典、トマス・モア『ユートピア』を読みました。読んでびっくり。そこに広がっていたのは、ディストピア世界ではないですか。まるで、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』のような。
 当時は、それが理想郷だと思われていたとは。それほど苦しい生活だったということ。
 読んでみるものですね。


 

 
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