真っ先に思いつくのは、モーリス・ルブランの《アルセーヌ・ルパン》全集。
神出鬼没で変装の名人アルセーヌ・ルパンは、泥棒。しかし、貧乏人から盗むことはせず、人殺しもしない。かつ、武道と知性で道を切り開く、上品で紳士的な怪盗なのだ。
そんなルパンが活躍する物語。
小学校の学級文庫にはホームズ全集があったのですが、それらはまったく無視して図書館で借りて読んでました。当時通っていた図書館では、たとえ全集でもバラして書名順に並べられていて、順番に読むのが大変だった記憶があります。その分、読破したときの感動もひとしお???
でも、内容は覚えてないんですよねぇ。ただ、おもしろかったことだけ。子供向けのでしたから、原作からかけ離れた部分があったのではないかと思いますが……。
さて、もう一つ。
ルパン全集と平行して読んでいたのが、エドマンド・ウォレス・ヒルディックの《マガーク少年探偵団》シリーズ。
自身にかけられた嫌疑をはらすため、探偵団を結成した少年マガーク。団員たちは、鼻のいいもの、記録が得意のもの、木登り名人、など個性的な顔ぶれ。探偵団は絶妙のコンビネーションで、さまざまな事件を解決していく……。
裏表紙の内容紹介マンガが印象的でした。いきいきした登場人物たちのこととか、意外と覚えていますが、こまかいトリックまでは……。
実は、かなり成長してから一冊だけ再読してます。オトナになっても楽しめたんですけど、やっぱり子供向けならではの物足りなさがあって、一冊にとどめておきました。詳細は忘れてしまっていても、子供のころに読んでおいてよかったなぁ、と言えるシリーズです。
SFを読んでいる方が幼少時の読書体験を語ると、たいてい、あかね書房の「少年少女世界SF文学全集」 とか、岩崎書店の「SF少年文庫」やら「SFこども図書館」なんてのが挙がるようです。それが、羨ましくもあり……。
当時はミステリに傾倒していて、その存在にすら気がついていませんでした。星の本とかは読んで(眺めて?)ましたし、SFっぽい児童書も読んではいたんですけどねぇ。
なぜミステリの道に進まなかったのか?
自分でも不思議です。
蛇足。
逢坂剛が訳した『奇巌城』がついに文庫化されて、早速購入。超訳の部類に入ると思いますが、逢坂剛の作品は好きになれるものが多いので、気にしません。
手に入れて、すでに1ヶ月。もったいなくって読めない……。