テッド・ベントレイは、勤めていたワゾウ - リルを解雇された。それは、自身の待ち望んでいたこと。この時代、被雇用者側から誓約を解除することは難しい。あらゆる社会制度の基盤は、偶然。最高権力者クイズマスターもコンピュータによる抽選で決められる。
ベントレイは、インドネシア帝国の首府バタビアへと向かった。その地で、生涯に一度しか認められないクイズマスターへの職務誓約を申請する。この10年、クイズマスターを務めてきたのはリース・ベリック。ベントレイは、当初の計画からは多少ずれるが、ベリック個人に対して誓約を行うことに……。しかし、そのときすでにベリックはクイズマスターの職を解かれていた。
新たなクイズマスターとして選ばれたのは、レオン・カートライト。ジョン・プレストンを教祖とするプレストン会の会長だ。彼にとってクイズマスターの選出は既知の事実。かつてプレストンの語った第十惑星〈炎の月〉があるという未知の空域へ、宇宙船を派遣したところだった。
ときをおかずして、最高権力者に対する公認挑戦者(刺客)の指名大会が催される。前クイズマスターのベリックがかけた100万ドルの懸賞金もあり、大会は空前の盛り上がり。そして選ばれた刺客は、キース・ペリッグ。ベリックが在職中ひそかに用意していた秘密兵器だった。
ペリッグの正体とは?
プレストン会は〈炎の月〉を見いだせるのか?
ベントレイの運命は?
ディックの処女長編。
処女作だけあって原石的で、少々分かりにくいのは否めません。けど、その分、ぐいぐいとひっぱっていってくれます。
再読ですが結末は忘れてました。忘却って、すばらしい。何度も楽しめちゃうんですから。
イジドル・ボートルレは、パリのジャンソン・ド・サイイ高等学校の名探偵。知り合いとなった新聞記者にさそわれ、不可解な強盗事件の舞台となったアンブリュメジー館に赴いた。
館の主は、ジェーブル伯爵。娘のスザンヌと、姪のレイモンドと共に暮らしている。事件の夜、館では、秘書のダバルが死体となって発見され、泥棒の一人は負傷したにもかかわらず忽然と姿を消していた。
盗まれたものは、ルーベンスの絵画4枚。そして、事件の裏には世紀の大泥棒、アルセーヌ・ルパンの存在が!
的確に推理していくボートルレ。
負傷したのはルパンで、彼はまだ敷地内に隠れているのではないか?
届けられた脅迫状。警備もむなしく、レイモンドは誘拐されてしまう。後に残されたのは、血のついたショールと、謎の暗号文。岩場で見つかった女性の死体はレイモンドのものなのか?
事件の見解を新聞に掲載することになったボートルレの元に、一つのメッセージが舞いこむ。ボートルレは、指定されたルブラン氏邸に向かい、ルパンと対決するが……。
逢坂剛が、モーリス・ルブランの書いた『奇巌城』をボートルレの視点に固定して改作した一冊。元はと言えば《痛快 世界の冒険文学》シリーズの中の一冊で、少年少女向け。謎があって、冒険があって、秘宝の存在があって……。おもしろいんですけど、若年層向けという印象は拭えませんでした。
ルパンの視点がなくなったため思考を会話という形に置き換えざるを得なかったのか、ルパンが異様におしゃべり。もっと寡黙でいてほしかったなぁと思うものの、実は、子供のころ読んだルパンがどんな男だったかは、まったく覚えてません。ふつうに翻訳された『奇巌城』も読みたくなってきました。
2005年01月03日
ラリイ・ニーヴン(小隅 黎/訳)
『地球からの贈り物』ハヤカワ文庫SF
《ノウンスペース》シリーズ。
マウント・ルッキッザットは人体に有害なガスに覆われた惑星。ガスから抜け出ているのは、高峰〈山頂平原〉のみ。
人類が、マウント・ルッキッザットに移植して300年。移民船乗組員たちの子孫が特権階級として君臨し、自らの長寿のために、優先的に臓器移植を受けていた。その臓器を提供するのは、移民の子孫たち。ささいな犯罪によって処罰され、生命を、臓器を剥奪されるのだ。
移民階級の解放グループ〈地球の子ら〉は、着々と勢力を伸ばしていた。その最中、メンバーの一人であるポリー・トーンキストは、乗員階級によって回収されるラムロボットを目撃する。地球から送られてきたラムロボットには、ある新開発技術が納められていた。それは、この階級社会を根本からくつがえすものだった。
マット・ケラーは移民階級だが、〈地球の子ら〉の存在すら知らない生活を送っていた。誘われたパーティでポリーを紹介され、好意を寄せる。しかし、ポリーは突然、マットを無視して立ち去ってしまった。ポリーの耳にはめられた小さな機器のせいなのか?
そのころパーティ会場の外では、警察が張り込んでいた。マットが誘われたのは、〈地球の子ら〉の勧誘パーティだったのだ。手入れが行われマットはなんとか脱出するが、多くの人々が連行されてしまう。臓器提供をさせられるために。その中には、ポリーも含まれていた。
マットは救出することを決心するが……。
簡単に言えば、超能力者もの。SF読者の中には、非科学的な超能力に対して拒否反応を示す人もいるようですが、幸い、個人的にはなんとも思ってないので楽しめました。ちょっと変わった超能力なんです。
焦点は、ラムボットの中味。その内容を知っているがためにポリーがとる行動が哀しい。
ショーン中尉とクレーン一等兵の任務は、スクープ衛星の回収。衛星からの信号波を頼りに、アリゾナ州ピードモントへと向かった。
ビートモントは人口48人の小さな村だ。村で二人が目の当たりにしたのは、人々がそこかしこで死に絶えている光景。管制室との交信途中、二人も絶命してしまう。
管制室から連絡を受けたマンチェック少佐は、ただちにワイルドファイア警報を発令した。宇宙から未知の病原菌が持ち込まれたときのために、用意周到に計画がたてられてあったのだ。かくして、ワイルドファイア計画立案者のジェレミー・ストーンを始めとする科学者チームが呼び集められ、極秘に原因究明が始まる。
発見された病原菌は、アンドロメダ菌株と名付けられた。空気伝染するが、そのシステムが分からない。あるものは即死し、あるものは静かに発狂したために自殺する。
村には、生存者がいた。ボロボロの臓器を持つ69歳のピーター・ジャクスン。そして、まったく健康な赤ん坊。
なにが生死を分けたのか?
ドキュメンタリー風な味付け。ほんのちょっとした偶然とか、悪いことが重なったり幸運に変わったり、現実ってそうだよね、と思わせる内容でした。
主役はアンドロメダ菌株。
小説だと思って読むと、つらいかも。立案者のストーンが軸かと思いきや、若い外科医のホールが軸になって、さらに別の人物も……。それがドキュメンタリーっぽくていいんですけどね。
ピエール・タルディヴェルは、フランス系カナダ人。アメリカ、ローレンス=バークレー研究所のヒトゲノム・センターに勤めている。遺伝子学者だ。
ピエールは実父から、ハンチントン病の遺伝子を受け継いでいた。発症する確立は五分五分。その事実を知って以来、無駄にできる時間がないことを悟り、一つの目標に向けてひた走ってきた。目標は、ノーベル賞。ノーベル賞受賞者のワトスンは、若干25歳でDNAのらせん構造の共同発見者となったのだから。
モリー・ボンドは、カリフォルニア大学バークレー校の教員。モリーには、他人の考えていることが分かってしまう能力があった。範囲は1m。頭の中で言語となった言葉が聞こえてくる。そのために、対人関係がうまく結べないモリー。ピエールと知り合うまで、結婚など考えてもいなかった。
ある晩、ピエールとモリーは暴漢に襲われる。ピエールはもみ合ううち、この若者を殺してしまった。前科者だったために正当防衛と認められたが、すっきりとしないピエール。
暴漢は、チャック・ハンラッティ。〈ドイツ千年王国〉というネオナチの一員だった。モリーが読み取ったところによると、明らかにピエールは狙われていたのだ。
なぜ、ネオナチに襲われねばならなかったのか?
ある日、ピエールの元を一人の男が尋ねてくる。アヴィ・マイヤー。ナチスの戦犯を追っている連邦捜査官だ。アヴィは、ピエールの上司であるブリアン・クリマスをマークしていた。
クリマスは、かつてトレブリンカ収容所で“恐怖のイヴァン”とおそれられた男ではないのか?
おりしもモリーは、クリマスの遺伝子提供を受けて、体外受精を行ったばかり。モリーは、ナチス戦犯の怪物の子供を産むことになるのか?
ピエールは真実を知るために奔走するが、ハンチントン病の症候が出始めていた。
概略を書くのに、少々困る作品。いろんな要素がちらばっていて、それらが最終的にまとまっていきます。
初読時の印象はあまりよくなかったのですが、再読してみて、評価が一気に上昇しました。モリーの特殊能力ゆえにSFということになりますが、SFだと思って読むと期待はずれな結果に。
フラウエンツィマー・ピアノ製作所は、ライバル社の情調オルガンにおされっぱなし。スピネットピアノは売れるのに、主力であるはずの電子オルガンはまったく売れない。電子オルガンを家業としているルイス・ローゼンは、おもしろくない。
一方、共同経営者のモーリー・ロックは、新たな手を考えだしていた。独断でシミュラクラの製作に着手していたのだ。
模造人間シミュラクラは、いわばロボット。
モーリーの計画は、シミュラクラで南北戦争を再現すること。もくろみでは、人々は熱狂し、戦死したシミュラクラは補充され続ける。
手始めに作ったエドウィン・M・スタントンをルイスに披露するモーリー。そのできばえは、本物の人間と見まごうばかり。製作にあたったのは、宇宙開発局でシミュラクラ回路を設計していたボブ・バンディー。そして、デザインしたのは、モーリーの娘プリス。
プリスは、精神科に入院した経歴があり、今は、大富豪のサム・K・バローズにお熱。シミュラクラをバローズに売り込もうと、画策するが……。
ディックをはじめて読む人はつらいであろう一冊。主人公はルイスなのですが、途中から精神を病んでいきます。ついでにストーリーも崩壊。というか、そういうストーリー、ということなんでしょうねぇ。
プリスという名前や、マーサ商会、情調オルガンといったものに『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を思い起こされました。
ニッコーは夏別荘社の人造人間。30年の期限付き認可によってこの世に生を受けた。ナノテクノロジーがごく自然に人々の身近なところにある時代にあっても、人類の生理機能に対する操作は認められていない。ニッコーの存在は異例中の異例。しかし、その生存期限もせまりつつあった。
ニッコーは己の延命を計るために、連邦警察長官カースティン・アデアに直談判に及が、交渉は決裂。窮地に立たされる。代わって、違法な、しかし強力なナノロボット、ボーア・メイカーに最後の望みをかけた。
ボーア・メイカーは、適応性人工知能を持ち、宿主の人間の肉体や精神、さらには他人のものまでも自由自在に改変することができる、脅威のナノロボット。天才分子デザイナーだったリアンダー・ボーアによって作られ、現在は連邦の手によって厳重に保管されている。
ニッコーは、己の精神をコピーした電子体に、人間である弟サンドルの顔を当てはめてバン・ネスに接近した。バン・ネスは警察に勤めていて、ボーア・メイカーに接近できる地位にいるのだ。計画はうまくいくかに思えた。しかし、バン・ネスがボーア・メイカーをハードコピーし持ち出してきてしまったため、警察の知るところとなった。
連邦警察はバン・ネスの個人情報から、サンドルの名前を見いだした。サンドルは指名手配されるが、カースティンはニッコーの気配を感じ取り、夏別荘社へと赴く。早速尋問にとりかかるが、ニッコーは夏別荘社そのものに殺されてしまった。
一方、連邦に属していないスンダ自由貿易圏のスラム街では、フォージタが仲間たちと共に暮らしていた。フォージタは、客をとるために8歳の身長のまま成熟させられた元娼婦。
ある日、川を流れてきた貴人の遺体を発見する。その貴人こそ、ボーア・メイカーをかかえたまま死亡したバン・ネス。その遺体をいじったために、フォージタはボーア・メイカーに侵入されてしまう。
メイカーのことをまるで理解できないフォージタ。魔法の力を手に入れたと思いこみ、人々に奇跡の力を分け与えようとするが……。
編み上げられた世界が楽しい一冊。ただ、登場人物たちをうまくイメージすることができませんでした。最初に外観説明がはいってそれっきりなら、イメージする必要もないんですけど。イメージしきれなかったのは読み手側の責任になるのかなぁ。
すごいのは、ボーア・メイカー。節操なしの機能をささえるエネルギーはいったいどこから来ているのだろう……。
“わたし”は、作家会議の席上で、ジョージ・ビターナットと名乗る男と出会った。このジョージには、ある秘密が……。古城に残された魔術書を試し、実際に悪魔を呼び出したというのだ。それが、アザゼル。体長2cmの小悪魔だ。
人から悩みを打ち明けられやすい、というのがジョージの性分。ジョージはさまざな相談を持ちかけられ、それを元にアザゼルに頼み事をする。アザゼルは、かん高いキーキー声で文句をたれつつも、ジョージの人助けに手を貸してやる。
アザゼルの技の対価は無償。というのも、アザゼルは自分の世界でかるんじられていて、ジョージにおだてられるとすっかりいい気分になってしまうのだ。しかし、人間界にうとく、たいてい、やりすぎたり、とんちんかんな結果に終わってしまう。
“わたし”は、話のネタになるとふみ、ときどきジョージに食事をご馳走することにした。そして、ジョージの披露するアザゼルの逸話に耳を傾けるのだった。
ジョージが語る、アザゼルの18の逸話を収録。
展開はワン・パターン。一つ一つを見れば、皮肉がこめられていてとてもおもしろいんですけど、続けて読んでいると、進展のないジョージとアザゼルの関係に、ややトーンダウンしてしまうのが難と言えば難。おもしろいんですけど。
なお、アシモフの短編集『ゴールド −黄金−』に「キャル」という短編が載っていますが、その中の作中作「完璧に正式」は、アザゼルものの番外編です。ロボット“キャル”が書いたことになっているからか、ちょっと長めで、贅肉がついた感じでした。
《魔王子》シリーズ(全五巻)の第四巻。
(第一巻『復讐の序章』第二巻『殺戮機械』第三巻『愛の宮殿』第五巻『夢幻の書』)
カース・ガーセンは、壊滅させられたマウント・プレザントの生き残り。復讐のための技能を習得し、事件の首謀者である五人の魔王子たちを追っている。
ガーセンは、宇宙船エッティリア・ガルガンティール号がかつてファヌーティス号と呼ばれていたことをつかんでいた。実質的な所有者は、魔王子の一人“巨鳥”レンズ・ラルク。ファヌーティス号こそ、マウント・プレザントの略奪で奴隷船として使われた船なのだ。その船が今、ガーセンのいる惑星アロイシャスに向かっている……。
ガーセンは、無法宙域〈圏外〉で手に入れた巨万の富の管理を任せているジハーン・アデルズに、エッティリア・ガルガンティール号をなんとしても足止めするように依頼する。強欲なレンズ・ラルクをひっぱりだすために。
アデルズは、エッティリア・ガルガンティール号が他の惑星で起こしたささいな事件を見つけた。訴訟権を持っているのは、クーニイ銀行。銀行を買収し、この地に支店を設けれぱ訴追できる可能性がある。
計画は実行に移され、ガーセンは、エッティリア・ガルガンティール号を拘束することに成功した。と同時に、手に入れてあったコズモポリス誌の記者の肩書きを使い、レンズ・ラルクの実像に迫っていく。
レンズ・ラルクはダー・サイ人だった。ついにアロイシャスに足を向けさせるが、殺害まであと一歩のところで逃げられてしまう。
ガーセンは、砂の惑星ダー・サイへと飛んだ。現地調査で、レンズ・ラルクが関わる会社、コツァッシュ相互の巧妙な株価操作を知る。裏にあるものを悟ったガーセンは、自分が筆頭株主となるために、コツァッシュ相互の無価値な株式を集めだすが……。
三つの惑星“アロイシャス”“ダー・サイ”“メセル”をガーセンが、レンズ・ラルクを追って駆け巡ります。ガーセンの買収劇は今にはじまったことではありませんが、今回はかなり悪どいことも……。そのあたりの駆け引きも楽しめる一冊。
ガーセンには、魔王子たちにも負けずおとらず自分さえよければすべてよし的なところがあります。そういう人間にしちゃったのは魔王子たちなんでしょうから、因果なことですねぇ。
《魔王子》シリーズ(全五巻)の最終巻。
(第一巻『復讐の序章』第二巻『殺戮機械』第三巻『愛の宮殿』第四巻『闇に待つ顔』)
カース・ガーセンは、壊滅させられたマウント・プレザントの生き残り。復讐のための技能を習得し、事件の首謀者である五人の魔王子たちを追っている。その内四人を成敗し、残るはただ一人、ハワード・アラン・トリーソングのみ。
トリーソングの素性は謎につつまれている。さすがのガーセンもお手上げ状態。ガーセンは、コズモポリス誌の資料室を物色するが、似顔絵すらないのだ。
そんな中、ガーセンは廃棄用トレイで一枚の写真を見つけた。
“この中の一人がH・A・トリーソング”
宴会を写した写真には、そう書いてあった。
ガーセンは、写真を送ってきたスターポート支社へと急行する。応対したのは、星区本部長のエイレット・メイネス。メイネスが語るところによると、おびえた女性が売りにきたのだという。
彼女は、写真の中にトリーソングがいるのは知っていたが、それがどの人物なのかは分からないと言う。宴会出席者たちは殺され、残されたのはトリーソングのみ。そのことを教えてくれた人も殺されてしまったらしい。そして、彼女もまた消息を絶ってしまう。
写っているのは、8人の男と、2人の女。
誰がトリーソングなのか?
何の宴会だったのか?
ガーセンは、コズモポリス誌の経営陣が、姉妹誌〈エクスタント〉の創刊を検討していることを利用して、一大コンテストを行った。無料配布する創刊号の表紙にこの写真を使い、10人の名前を当てた人に賞金10万SVUを支払う。さらにガーセンは、名前当てコンテストの臨時アシスタント募集も行った。
そしてガーセンの前に現れたのが、アリス・ローク。
彼女は、トリーソングの手先なのか?
17年をかけて書かれたシリーズも、これで完結。とてもおもしろいものの、世間では玄人好みの評価をされているんだそうで、広く読まれてないのが至極残念でなりません。今となっては、なかなか見つかりませんし。
今作は、ガーセンの復讐劇だけでなく、トリーソング自身の復讐劇も展開されます。そして“超人たちの王”を自称するトリーソングの世界制覇の陰謀と、驚きの秘密。
傑作です。