『悪魔を飼っていた男』クリストファー・ムーア
は、もう一度読みたい本のうちの一冊。
ひょんなことから悪魔を呼び出してしまった神学生は、以来、悪魔“キャッチ”を飼うはめに陥る。このキャッチ、『エクソシスト』が大好きで……というユーモア系のホラー小説。
記憶は美化されているのか、本当に傑作だったのか、たしかめるのがこわい……。
書名順リスト/カ〜コ
『神無き月十番目の夜』飯嶋和一
は、濃厚な歴史ミステリ。
半農半士が集い、優遇されてきただけにプライドの高かった里、小生瀬。関ヶ原の合戦ののち、時代は転換期を迎え、小生瀬もただの村となることが要求される。村人たちはそれに反発するが……。
飯嶋和一は、超寡作作家。この作品に限らず、氏の本を読めば寡作なことが納得できる内容。打ちのめされました。
書名順リスト/サ〜ソ
2004年のベストセラー『世界の中心で、愛を叫ぶ』片山恭一、に「えっ?」と思ったのは、当然、
『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハーラン・エリスン
を読んでいたから。
エリスンのは短編集で、正直に告白すれば、世間に評価されてる「世界の中心で愛を叫んだけもの」より、その他の短編のほうが楽しめました。それが価値観の相違ってやつか。
書名順リスト/タ〜ト
『超老伝−カポエラをする人−』中島らも
は、登場人物の視点から書いた、珍しい小説。
一人称で、その人物の目線から…というものならよくありますけど、これはちがう。思考回路をそのまま書き起こしているのです。
人間って、頭の中じゃ改行したりしない。
というわけで、結果として余白の少ない仕上がり。うねる思考にひたれました。
書名順リスト/ナ〜ノ
『20億の針』ハル・クレメント
は、復刊フェアで手に入れた一冊。
半液体生物である宇宙人を体内に住まわすことになった少年は、宇宙人の追っている犯罪者をさがす手助けをする。犯人逮捕の確率は20億分の一。ホシも誰かに寄生していると思われるが……。
読了後、一緒に復刊された続編『一千億の針』を買いに走りました。
書名順リスト/ハ〜ホ
『封神演義』安能 務
は、蔵書の中で唯一、何度も何度も印税を払っているタイトル。ここ数年は読む機会がめっきり減りましたが、刊行以来、ボロボロになる都度買い直してきました。
古代中国の殷周革命に、仙人やら道士やらをからめた一大娯楽作品。中華ものは、演歌でいう“こぶし”のような、独特な言い回しが魅力です。これがダメって人もいますけど。
書名順リスト/マ〜モ
『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子
は、1980年初頭の大ベストセラー。
第二次世界大戦前、小学一年生ながら学校を退学になったトットちゃん。入学し直したトモエ学園は、ちょっぴり変わった学校だった。
黄ばんでたり、シミがあったり、ところどころ色あせてるんですけど、これだけ長い間持っているともう買い直せません。
何度読んでも、涙、涙。
書名順リスト/ヤ〜ヨ
『ユービック』フィリップ・K・ディック
は、ディックの傑作の一つ。
超能力者と、超能力を中和する不活性者と、死者たちの競演。敵の罠、退行する時間、謎のガジェット。現実とはいったいなんなのか?
ディックにしてはマトモなので評価しない人もいるらしいですが、たまらなくおもしろい不可思議さは健在。
うなりました。
書名順リスト/ラ〜ワ
『ラモックス』ロバート・A・ハインライン
は、ショッピング・センターの駐車券をもらうために購入した予定外の一冊。
宇宙怪獣・ラモックスをペットにしているジョン・トマスだったが、このごろはどんどん巨大化するラモックスを持て余し気味。ある日デートから帰ると、勝手にでかけたラモックスに、街中が大パニックに陥っていた!
楽しさも予定外。