

昨年、書的独話で「合言葉は【終末】」を書きました。
人類文明が終わろうとしているとき、人々はどうするか。
今回は、世界が終わったあとの物語を集めてみました。
終わった余韻がまだ残っているもの。
終わったところから再起に向けて動きだしているもの。
終わったのが遠い出来事になっているもの。
技術革新で大きく変容した世界は、滅亡したわけではないので除外しました。異星人の来訪で変えられてしまった世界も外しました。
それと「合言葉は【終末】」と被っているものも避けました。ただし、終末ものでもあるけれど「合言葉は【終末】」で漏らしてしまったものは入れました。
なお、物語の途中で滅亡して復興するものはネタバレ防止のため触れてません。
また、いずれ世代宇宙船ものを取りあげる予定があるので、終末にともなって惑星から脱出したものはそちらで取りあげます。ご了承ください。
これだけふるいにかけても、まだまだあります。人類、がんばってますね。
どういう世界になっているのか、簡単に書きました。
記憶があやしくなっている本がいくつかあります。参考のため読了年を添えました。複数回読んでいるもの、シリーズものは最後の読了年です。
昔に読んだものほど、憶えているつもりで憶えていない確立が高いです。
▼地下または天上で暮らす人々
▼廃墟と化した世界
▼将来よりも今
▼旧世界のことは不明
■地下または天上で暮らす人々■■■ ▲目次にもどる▲
■『最後から二番目の真実』フィリップ・K・ディック
2007年読了。
世界大戦により人間たちが地下に作った塔に避難して15年。地上では人型ロボットが戦争を続けている…ことになっているけれど、実は13年前に終結してる。
■『落下世界』ウィル・マッキントッシュ
2020年読了。
世界は、かつての地上がこまぎれになって空に浮かぶ島々となっている。記憶を失って目覚めた男は、仲間たちを得ながら下にある島を目指す。
■《サイロ》ヒュー・ハウイー
『ウール』
『シフト』
『ダスト』
2025年読了。
ある理由から文明は滅亡し、人々は地下に埋められたサイロで暮らしている。地表のようすは最上階に設置されたスクリーンで見ることができるけれど、死の世界とされ、行くことはできない。
■廃墟と化した世界■■■ ▲目次にもどる▲
■『アド・バード』椎名誠
2000年読了。
デンキ戦争のあとの時代。行方不明の父親をさがして兄弟はマザーK市にでかける。廃墟と化した無人のマザーK市は、広告に支配されている。
■「昔を今になすよしもがな」アルフレッド・ベスター
収録『世界のもうひとつの顔』
2008年読了。
大爆発で人類が滅亡した世界。ひとり生き延びた女が、無人となったニュー・ヨークで暮らしている。
■『ステーション・イレブン』エミリー・セントジョン・マンデル
2022年読了。
病が蔓延し文明が崩壊して20年。当時8歳だった少女はシェイクスピアを上演する劇団に加わり、集落から集落へと旅をしている。
■『断絶 (エクス・リブリス)』リン・マー
2022年読了。
真菌感染症が蔓延し、文明は滅亡した。ニューヨークで働いていた女は8人のグループに拾われ、快適と安全をもたらす〈施設〉があるという、イリノイ州ニードリングを目指す。
■『ウィトゲンシュタインの愛人』デイヴィッド・マークソン
2022年読了。
ただひとりの生存者となった女が、誰もいなくなった世界で暮らしている。車や船や燃料を盗むなどして、世界中をめぐっている。
■『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー
2025年読了。
分厚い雲によって太陽光が遮られ、日に日に暗く、寒くなっていく世界。文明は滅亡し、わずかに生き残った人たちが物資を奪い合っている。
■将来よりも今■■■■ ▲目次にもどる▲
■「シスアドが世界を支配するとき」コリイ・ドクトロウ
収録『2000年代海外SF傑作選』
2021年読了。
システム・トラブルのためデータ・センターに集まっていたシスアドたちが、終わったあとの世界で生き延びようとする。
■「プログラム可能物質の時代における飢餓の未来」サム・J・ミラー
収録『2010年代海外SF傑作選』
2021年読了。
プログラム可能物質によって、世界人口の三分の一が命を落とした世界が舞台。生き残った男が、喧嘩別れしたまま失った者を想う。
■旧世界のことは不明■■■■ ▲目次にもどる▲
■『エイリアン・チャイルド』パメラ・サージェント
2010年読了。
最終戦争で人類は滅亡した。地球にやってきた異星人が、研究所でふたりの人間を誕生させる。
■『風の谷のナウシカ』宮崎駿
2011年読了。
世界大戦により文明が崩壊してから1000年。海は死に、陸地の大半は毒をはきだす植物で被われている。
■『鳥の歌いまは絶え』ケイト・ウィルヘルム
2020年読了。
正体不明の病気が蔓延したために人も動物も繁殖能力を失った。ある一族は、クローニング技術に活路を見出す。
■『都市』クリフォード・D・シマック
2023年読了。
知性をもった犬たちの時代。かつて人間と呼ばれた生き物がいた、という伝説が残っている。伝説刊行委員会が、人間たちの逸話を集める。
■《スカーレットとブラウン》ジョナサン・ストラウド
『あぶないダークヒーロー』
『ノトーリアス』
2024年読了。
文明崩壊し、七つの国に分割された大ブリテン島が舞台。一匹狼の無法者スカーレットが、世間知らずで能天気なブラウンと出会う。
■『世界が終わってしまったあとの世界で』ニック・ハーカウェイ
2024年読了。
非=現実に侵されて、世界は終末を迎えた。人間が人間として生きられず、人間を保たせてくれる唯一の物質は企業に独占されている。