1月に、猫が関わる本のリストをこしらえました。(「合言葉は【猫】」)猫をやったからには犬もやった方が…? とこしらえてみました。
犬が活躍する物語をリストアップしました。
一言添えてありますが、実は、内容を覚えていないものもあります。手放していて確認できない本もあるため、所有しているものも含めて一律、不確かな記憶を元に書いてます。読了年を併記しましたので、目安としてください。
犬ものが読みたい方の参考になれば、と思います。
■『心とろかすような』宮部みゆき
2001年の読了本。
長編『パーフェクト・ブルー』の続編で、こちらは短編集。元警察犬(ジャーマン・シェパード)マサの視点で書かれている……らしいのですが、まったく記憶にございません。
■『シリウス』オラフ・ステープルドン
2004年の読了本。
作家ロバートが書く、世にも不思議なシリウスの一生。シリウスは、天才生理学者によってうみだされた犬。知能は人間なみですが、犬なんです。葛藤してしまうよね。
あまり覚えてませんが、娯楽で読むような物語ではなかったはず。
■『デイナのひそかな生活』エリカ・リッター
2019年の読了本。
貞操観念がぶっとんでるデイナが主人公。デイナに預けられたのが、雑種のオス犬マーフィー。マーフィー視点での語りもあります。マーフィーは人間の言葉を理解しているのですが、おりこうないい子ちゃんではなく、本能で動いてしまうこともたびたび。
デイナの言動を許容できないとちょっとつらいかも。
■「ドッグ・スター」アーサー・C・クラーク
何度か読んでますが、最近では、2015年に読んだ『10の世界の物語』に収録されたもの。SF。
犬が主人公ではなく、犬がかかわる感動作。
なお「犬の星」は同じ短篇です。
■『野良犬トビーの愛すべき転生』W・ブルース・キャメロン
2019年の読了本。
映画『僕のワンダフル・ライフ』の原作。映画の方は、尺の都合でいくつかのエピソードがカットされてましたが、ほぼ同じ展開でした。
野良犬として生を受けたトビーが転生を繰り返し、なぜ何度も生まれ変わるのか自問自答します。トビーなりに結論を出してましたが、それについては期待しない方がよさそう。
■『パーフェクト・ブルー』宮部みゆき
2001年の読了本。
宮部みゆきの長編デビュー作。
探偵事務所で飼われているのが、元警察犬(ジャーマン・シェパード)のマサ。ほとんどがマサ視点で語られている……らしいです。
まったく記憶にございません。
■『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド
2019年の読了本。
主人公のパンプルムースの愛犬が、ブラッドハウンドのポムフリット。ポムフリットが語る章もあるのですが、添え物程度。
犬を目当てに読む本ではありませんでした。
■「フランダースの犬」ウィーダ
2020年の読了本『フランダースの犬』に収録。
すごく短い物語でした。主人公ネロの飼犬が、フランダース地方の典型的な犬であるパトラシエ。パトラッシュという方が有名か。
パトラシエが、ただそこにいるだけでなく、きちんとした考えのもと行動していたのが意外でした。犬を目当てに読んでもいいのではないでしょうか。
■『牧羊犬シェップ、がんばる』マージョリー・クォートン
2019年の読了本。
ボーダー・コリーのシェップの日記、というスタイルで展開していきます。シェップは擬人化されてますが、まさしく犬でした。ただし、あまりに当たり前な日常だからか、牧羊犬としての活躍にふれる箇所は多くないです。
なお、文庫で『牧羊犬シェップと困ったボス』が出版されてますが、続編ではありません。同じ本です。
■《名犬チェットと探偵バーニー》スペンサー・クイン
3作品翻訳されてます。2018年に一気読み。
私立探偵のバーニー・リトルと、警察犬になりそこなったミックス犬のチェットのコンビでおおくりします。
チェット視点ですが、チェットの思考回路が支離滅裂でゆるゆるで、癖になります。他の犬と会話しないところも好印象。
なかでも3作目の『チェットと消えたゾウの謎』が絶品。バーニー視点で書けばハードボイルドに仕上がっただろうに、チェット視点なものですから、ふんわりしてます。問題は、最初の2作を読んでいないとコンビを満喫できないのに、最初の2作品を読んでいると(パターンが同一のため)興ざめしてしまうところ。ジレンマですね。
なお、単行本と文庫本でタイトルが異なってます。
■『約束』ロバート・クレイス
2018年の読了本。
『容疑者』の続編。警察官のスコットと警察犬マギーのコンビもの。続編ですが、別のシリーズにも入ってます。スコットとマギーはオマケ程度でした。
■『野生の呼び声』ジャック・ロンドン
2017年の読了本。
物語自体は1903年のもの。犬の思考を人間にも分かるように書きました、そういう雰囲気の物語。
主人公のバックはセントバーナードとスコッチシェパードのミックス犬。カナダに送られたバックは、野生に目覚めていきます。
犬というより、狼でした。
■『容疑者』ロバート・クレイス
2018年の読了本。
警察官のスコットと警察犬マギーのコンビもの。
マギーは、元々は軍用犬。銃撃を受けて指導手を失ったマギーは、警察犬として再訓練を受けています。一方のスコットも人間の相棒を亡くしたところ。警察犬隊に移動したばかりの新人です。
マギー視点はほんの少し。とはいえ、どうしたってマギーに目がいってしまいます。
■「リトル・ドッグ・ゴーン」ロバート・F・ヤング
2006年読了の『ジョナサンと宇宙クジラ』に収録。
犬視点はなく、犬が人の人生を変えた、というタイプの物語。SF。ただし、本作の犬は厳密には、犬に似た別の種族のはず。