書的独話

 
2020年のひとりごと
01月01日 展望、2020年
01月19日 合言葉は【猫】
02月09日 2019年、ベスト
02月24日 合言葉は【犬】
03月08日 物語のおわり
05月17日 何度も読みたくなる本、その2
06月01日 何度も語りたくなる本
06月30日 中間報告、2020年
07月24日 フィクションで歴史
08月13日 破壊と再生
10月18日 国家とは何か
12月31日 総括、2020年

 

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2020年01月19日
合言葉は【猫】
 

 昨年末に、猫が主人公になっている物語を立て続けに読みました。今に始まったことではありませんが、猫がからんでいる、というだけで心引かれてしまうのです。

 思えば、いろんな猫を読んできました。

 そこで、今回は「猫」をキーワードにした一覧を制作してみました。コメントもつけてあります。ただし、内容を覚えていない物語が多数あります。
 本棚に並んでいる本がある一方、手放して確認できない本もあります。記憶に残っている事項をかき集めて一言を考えてみました。どのくらい忘れているかの目安になるかと考え、読んだ年も書いておきました。

 基本的に、タイトルもしくはシリーズ名の50音順です。ただし、アンソロジーは末尾にまとめてあります。シリーズの内訳については省略させていただきました。
 猫ものが読みたい方の参考になれば、と思います。

 
か〜

■『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ
 2013年の読了本。児童書のような寓話。
 瀕死のカモメに子育てを頼まれた猫の話。今にして思えば、リチャード・バックの『かもめのジョナサン』に雰囲気が似ているような……。(カモメという共通項のせいでそう感じるだけかも)残念ながら、覚えているのは猫同士が対立している(飼い猫vs野良猫)ことばかり。

■《通い猫アルフィー》レイチェル・ウェルズ
 2019年に読みはじめたため、まだ初巻のみ。通い猫(複数の家庭に出入りしている猫)のアルフィー視点で展開していく、猫情もの。
 ちょっとショッキングな出来事も起こりますが、最後にはハッピーエンドになることを信じて読みました。実際、その通りでした。

■《黒猫ルーイ》キャロル・ネルソン・ダグラス
 2012年に、初巻の『黒猫ルーイ、名探偵になる』のみ読みました。ラスベガスを舞台にしたミステリ。主人公は人間で、ルーイの語りもちょっとだけある、というスタイルだったはず。
 あんまり覚えてないのですが、続刊を読んでいないので、まぁ、そういうことかな、と。

 
さ〜

■『サイモン、船に乗る』ジャッキー・ドノヴァン
 2019年に、表紙絵の自信満々なサイモンに惹かれて読みました。1949年の「揚子江事件(アメジスト号事件)」に注目した物語。歴史的事件を、実在した猫サイモン視点で書かれてます。ただし、サイモンの個性はかなり創作されてます。

■『鯖猫長屋ふしぎ草紙』田牧大和
 2017年の読了本。確か、猫目当てで読んだ、江戸人情もの。連作短編集に見せかけて実は全体でひとつの物語、という構成がきれいでした。
 主人公は、猫の絵ばかりを描いている売れない絵描き。その飼い猫が三毛猫のサバ。サバが重要な役回りを果たすのは確かですが、活躍してたかどうか、早くも記憶にございません。

■『ジェニィ』ポール・ギャリコ
 2010年に読んだ、ギャリコの代表作のひとつ。猫になってしまった少年が、先輩猫のジェニィに教えを受けて一人前になっていく物語……だったはず。猫としてだけでなく、人間としても成長するんです。
 猫の入門書としても読める。

■《しゃばけ》畠中 恵
 厳密にいえば、猫モノとは言えません。江戸の妖もの。妖が見える大店の若だんなの人柄がよくて、ほのぼのしながら読んでます。
 猫又が出てくるので、ひとまずリストに加えました。

■《シャム猫ココ》リリアン・J・ブラウン
 タイトルが『猫は〜』ではじまるミステリ・シリーズ。主人公と暮らしているのが、シャム猫カウ・コウ=クン(通称ココ)とヤムヤム。
 ココはグルメで、こだわりの強い猫。いろんな殺人事件が起こり、ココは、猫ならではの手がかりを示します。
 シリーズ後期には作者の加齢を感じられてしまって、ちょっとつらい……。

■《書店猫ハムレットの事件簿》アリ・ブランドン
 2016年に、初巻の『書店猫ハムレットの跳躍』のみ読みました。ミステリ。書店に暮らす猫が、あちこちの書棚から事件のヒントになる本を落としてた……ようなかすかな記憶が……。

■『ゼロ・ストーン』アンドレ・ノートン
■『ゼロ・ストーン2 未踏星域をこえて』アンドレ・ノートン
 2007年の読了本。若年層向けの宇宙SF。猫から産まれた謎の生命体が登場するので、ひとまずリストアップ。外見は猫なので。

■《空飛び猫》アーシュラ・K・ル=グイン
 航本日記に記録が残っているのは、2001年の『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』のみ。これはシリーズ3作目。前2作も読んでますが記録はありません。
 空飛び猫というのは、その名の通りで、猫に翼が生えているんです。挿絵満載で、絵本チックな本だったように記憶してます。

 
た〜

■『だれも猫には気づかない』アン・マキャフリイ
 2001年と、2003年にも再読。中世風ファンタジーだったか。猫のニフィがとてもよかったらしいのですが、まったく、覚えてません。

■『跳躍者の時空』フリッツ・ライバー
 2016年の読了本。SF作家の短編集。
 全10作品の内、猫のガミッチが活躍するものが5編。知能指数160はあるスーパー仔猫(自称)として登場したガミッチの、ほほえましいこと、ほほえましいこと。すぐに大人になってしまうのが惜しい〜。

■『トマシーナ』ポール・ギャリコ
 2010年に読んでから、ちょこちょこと再読してきた猫ファンタジーの傑作。群像劇。
 非情な獣医と、魔女と噂される女、獣医の親友の牧師、そして、父親に愛猫を安楽死させられて心を閉ざす獣医の愛娘。それから、猫の女神バスト・ラーを称する猫。
 読むたびに、目がいってしまう人が違ってくるんです。

■《トラ猫ミセス・マーフィ》リタ・メイ・ブラウン&スキーニー・パイ・ブラウン
 2016年に、初巻の『町でいちばん賢い猫』のみ読んでます。リタ・メイ・ブラウンの飼い猫スキーニー・パイが書いた、という設定のミステリ。人間たちも推理するし、動物たちも推理する……ような記憶がありますが、さて、どうだったか。

 
な〜

■『夏への扉』ロバート・A・ハインライン
 何度も読んでますが、リンク先は2014年。タイムトラベルもの。猫が出てくるSF、というリストにはたいてい挙がってくる名作。
 主人公の飼い猫ピートが大活躍します。しますが、猫を目当てに読む本ではないです。

■『猫語の教科書』ポール・ギャリコ
 猫好きのギャリコによるノンフィクション。2010年に書的独話「猫語の教科書」でとりあげました。
 成功者(猫)が書いた、子猫、迷子、およびホームレス猫のための手引書、という設定の本です。

■『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ
 2010年の読了本。猫が書いた猫による猫のミステリ。人間の事件を猫視点で書く本はいくつかありますが、本書は猫の事件を扱っているのが特色。
 すまぬ。不満しか覚えていない。

■『猫とキルトと死体がひとつ』リアン・スウィーニー
 2015年の読了本。主人公が愛猫家という、ミステリ。猫視点はなかった……はず。猫成分多めで、ミステリよりも猫が重視されていたような。たしか、猫を目当てに読む本だったと思います。

■「猫とともに去りぬ」ジャンニ・ロダーリ
 短編集『猫とともに去りぬ』の収録作。2008年の読了本。ユーモア系。「もう疲れた〜、猫になりたい〜」という中年男の話、だったかと。

■『猫の帰還』ロバート・ウェストール
 2019年の読了本。第二次世界大戦を舞台にした猫の道中記。分類としては児童書なのですが、そういう雰囲気はなかったです。たしか。戦時下の様子を知るのにいいのではないか、と思います。

■『猫の町』ナリ・ポドリスキイ
 2019年、タイトルに惹かれて読みました。ロシア文学。猫がたくさんいる町が舞台ですが、猫ものとはちょっと違いました。逆に、猫好きさんは読まない方がいいような?
 タイトルにつられて読んでしまうといけないので、あえてリストに入れておきました。

■『猫は14の謎を持つ』リリアン・J・ブラウン
 2018年の読了本。《シャム猫ココ》シリーズのブラウンの、猫テーマの短編を14本掲載。いろんな猫が登場しますが、やはりシャム猫が多め。ココはいません。
 楽しい話ばかりではなく、悲劇もありました。

■『猫ほど素敵な商売はない』ヴァル・シャフナー
 2013年の読了本。アルゴンキン・ホテルにはハムレットという看板猫がいるそうで。そこは実話。で、そのハムレットをモデルにして書いた、という児童文学が本書。
 あとは覚えていない……。

■「鼠と竜のゲーム」コードウェイナー・スミス
 猫SFというと、たいてい名前が挙がってくる宇宙SF。表題作にもなっている短編集『鼠と竜のゲーム』に掲載されてます。が、読んだのが2002年。掲載タイトルを列挙しただけでした。
 幸い、2019年に猫アンソロジー『魔法の猫』の方で再読したので、そちらで内容についてふれてます。

 
は〜

■『ひげよ、さらば』上野 瞭
 2019年の読了本。記憶喪失の猫ヨゴロウザの物語。個性的な猫たちは、仲間同士でも気持ちがバラバラ。一方、猫たちと対決する犬たちは一致団結してます。猫ってそうだよな、としみじみ。
 人間社会を仮託したんでしょうけど、猫ってそうだよな。と、思わせる猫の物語。

■『深川にゃんにゃん横丁』宇江佐真理
 2016年に読んだ連作短編集。江戸の人情もの。猫がたくさんいるから、にゃんにゃん横丁。
 猫の話ではなかったような……。

 
ま〜

■《三毛猫ウィンキー&ジェーン》エヴァン・マーシャル
 ミステリ。主人公ジェーンの息子ニックの愛猫がウィンキー。家猫で、それほど本編にかかわってこなかった……ような。

 
あんそろ〜〜

■『魔法の猫』猫アンソロジー
 奇妙な味わい系の猫モノを集めた、ジャンル不問のアンソロジー。ミステリ・レーベルから出ているのですが、SF的な雰囲気のものが多めな印象。
 2019年の読了本。

■『猫は宇宙で丸くなる』猫SF傑作選
 猫SFを集めたアンソロジー。タイトルには宇宙とつきますが、それだけではないです。大きく〈地上篇〉と〈宇宙篇〉にまとめられてます。
 2018年の読了本。


 

 
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