12年ぶりに《指輪物語》を読みました。何度も読んでいる気でいたので12年も読んでいなかった、ということにびっくりしてます。
航本日誌では4回目の登場です。
ところで、2011年に書的独話で「何度も読みたくなる本」を書きました。基準は、3回以上読んでいる本。こんなラインナップでした。(リンク先は最新のものに改めてます)
『恐竜レッドの生き方』ロバート・T・バッカー
『後宮小説』酒見賢一
『占星師アフサンの遠見鏡』ロバート・J・ソウヤー
『大誘拐』天藤 真
『チャリオンの影』ロイス・マクマスター・ビジョルド
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン
『ネリルカ物語』アン・マキャフリイ
《指輪物語》J・R・R・トールキン
その時点で3回読んでいたものの載せなかった本、というものもありました。すでに手放していて、その後に再読する可能性が低いものを除いたのだろうと思います。
再読するときには、その前に読んだのがいつだったか、確認してます。読みたい気分のときでも、あまり近いようなら見送りしてます。あるいは、あまりに何度も読んでいて躊躇することもあります。
そんなこんなで《指輪物語》は12年ぶりになってしまったのでしょうね。
それはさておき、2011年の「何度も読みたくなる本」から変化はあったか、と再調査してみました。
あれ以来読んでない本もあれば、新たに読みはじめた本、引き続き読んでいる本、いろいろありました。
タイトル順にご紹介します。
今回も基準は「3回以上」です。2011年以降に動きのないものは除外してあります。
コメントは簡単なものに留めました。内容についてはリンク先(航本日誌)をご参照ください。
本選びの参考になれば幸いです。
『渇きの海』アーサー・C・クラーク
クラーク作品はいくつか読んでますが「その中から1冊だけ」と聞かれれば、これを選ぶはず。2019年に、ほぼ10年ぶりに再読しました。なるべく忘れてから読みたかったのですが、いい物語はなかなか忘れない……。
『ゴールデン・フリース』ロバート・J・ソウヤー
別のSFを読んだとき、出てきた宇宙船のAIが(最初のうちだけ)『ゴールデン・フリース』のイアソンに似ている!などと思いまして。確認したくて読み返しました。4回目の読書になりました。
そのときのことは、書的独話「宇宙船のAI問題」でふれてます。
『この人を見よ』マイクル・ムアコック
あまり長くないので、読み返しやすいのです。
時間旅行ものを読むとき、ときどきこの物語が脳裏をよぎります。でも読んだばかりだから……とがまんしている状況です。とはいえ、3回目を読んでから7年たっているから、そろそろいいかな。
『重力が衰えるとき』ジョージ・アレック・エフィンジャー
SFですが、アラブな世界に浸りたいときの定番。
『大誘拐』天藤 真
読書ペースが落ちていて「このままじゃいかん」と思って手に取ったのが4回目の読書となりました。あまり日本人作家の本を読まないのですが、こちらは別格。
『チャリオンの影』ロイス・マクマスター・ビジョルド
そのころずっと、自分に合わない本を読んでいて、途中で投げ出すのも癪だし、おもしろさが分かっている物語で気分を上げようと思って手に取ったのが4回目の読書となりました。
30年後くらいに振り返ったら、この本が、もっとも読んだ本になるかもしれません。
『トマシーナ』ポール・ギャリコ
ギャリコの猫もの。ずっと同一シリーズの猫ものを読んでいるとき、さすがに食傷気味になりまして「違う猫が読みたい〜」と思ったのがキッカケ。猫ものですが、猫以外も読ませるんですよねぇ。
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン
2014年に4回目の読書。読むたびに猫のピートの印象が変わるんです。目がくぎ付けだったり、思ってたより出てこないと訝しんだり。
『2001年宇宙の旅 −決定版−』アーサー・C・クラーク
ソウヤーの『ゴールデン・フリース』を読み返したのと、ほぼ同じ。とあるSFに出てきた宇宙船のAIに思うところがあったため。
そのときのことは、書的独話「宇宙船のAI問題」でふれてます。
『ノービットの冒険 −ゆきて帰りし物語−』パット・マーフィー
トールキンの『ホビット ゆきてかえりし物語』をベースにしたSF冒険もの。波瀾万丈ですけれど童話チックなので、あたりが柔らかいんです。
柔らかいものを読みたいときには手が伸びます。
『博士の愛した数式』小川洋子(2018/9)
サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』(書的独話「フェルマーの最終定理」)の余韻で猛烈に「数学者が読みたい」となったときに手にした本。長くないのですぐ読めてしまいますね。
《指輪物語》J・R・R・トールキン
『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』の三部作。
今回の読書で4回目になりました。12年ぶりとはいえ覚えているつもりだったのですが、記憶とかなり違ってました。おそらく、映画版を何度も観ているので、そちらと混同していたのでしょう。
《ライラの冒険》フィリップ・プルマン
『黄金の羅針盤』『神秘の短剣』『琥珀の望遠鏡』の三部作。
第一部は映画化されましたが、それから音沙汰がないのが残念。宗教を扱っているので、やはり難しかったのか。
『楽園の泉』アーサー・C・クラーク
個人的なことですが、クラークの『渇きの海』と一緒に買ったので、そちらを読んだらこちらも……とセットで扱ってしまうのです。
改めて読んでみて、記憶にあるシーンがなかったことが衝撃でした。そういうことが起こった、という記述はあったけれども、そのものズバリは書かれていなかった、という。名著だとしばしば起こるのですが。
『ラモックス』ロバート・A・ハインライン
読むたびに発見があるユーモアSF。ハインラインもいくつか読んでますが「その中から1冊だけ」と聞かれれば、これを選ぶはず。
『竜の戦士』アン・マキャフリイ
《パーンの竜騎士》のシリーズ一作目。「何度も読みたくなる本」で出てきた『ネリルカ物語』は外伝です。
パーンの世界に浸りたいとき、シリーズ全部を読むのは大変(外伝入れて13タイトル)なので、1冊目だけ。新刊が出たら通しで読んでおきたいですね。いつ出るのか不明ですが。
『ロカノンの世界』アーシュラ・K・ル=グィン
あまり長くないので、読み返しやすいのです。長くない分、なかなか忘れられないのが残念。新たな気持ちが持てれば何十回と読むのですが。