書的独話

 
2022年のひとりごと
01月01日 展望、2022年
01月23日 絶海の無人島
02月21日 2021年、ベスト
03月22日 気球の北極探検隊
04月22日 不屈の南極探検隊
05月15日 合言葉は【遭難】
06月28日 一族の歴史
06月30日 中間報告、2022年
07月10日 世界の複数性
08月28日 19世紀アメリカ
09月15日 17世紀、ほぼ海賊の日常
10月21日 書籍誕生
11月11日 芸術品の価値
12月20日 合言葉は【ドラゴン】
12月31日 総括、2022年
 

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2022年12月31日
総括、2022年
 

 2022年も終わってしまいました。
 1年ってあっという間。年々、早く感じます。
 では、2022年を振り返ります。

 まずは、航本日誌。
 2019年から毎年「総数で月に10冊、最終的に年間100タイトル」というのを目標……といいますか目安にしてます。
 結果は、こうなりました。

 1月、12冊(11タイトル)
 2月、10冊(9タイトル)
 3月、10冊(7タイトル)
 4月、10冊(10タイトル)
 5月、10冊(9タイトル)
 6月、11冊(8タイトル)
 7月、10冊(9タイトル)
 8月、10冊(9タイトル)
 9月、10冊(8タイトル)
 10月、10冊(10タイトル)
 11月、10冊(10タイトル)
 12月、10冊(10タイトル)

 昨年にひきつづき、今年も110タイトル、読むことができました。目標を上まわっているのは、児童書や、文量が多くない本などが入っているおかげです。
 そういえば、年初の展望で、
 ここ数年、漫画をまったく読んでいないので、ときには読みたいものです。
 なんてことを書いてました。ちゃんと読みましたよ。12月になってからやっと……ですけど。

 では次に、書的独話。
 月に一項目は……と言ってましたが、クリアしました。必ずある展望と中間報告と総括を除いても月に一項目、なにかしら書けました。よかったよかった。
 昨年できなかった「合言葉シリーズ」で「竜」を取り上げることもしました。これまた12月になってからやっと……でしたけど。

 それから、裏方作業。
 掲載作品リスト内で、書名の傍らにシリーズ名へのリンクを設ける試みを、少しだけ拡大させました。
 その結果、あちらこちらのページで、シリーズ名を併記されたタイトルがお目見えするようになりました。そのため、各リストのページの注意書きにも、試みについて記載しました。
 作家別の掲載リストでは、日本文学と海外文学を区切るのに加えて、海外文学について、作家名につづいて出身国を補記する試みをはじめました。
 やってみたら、フランス人だと思っていたらフィンランド人だった! なんて気づきがありました。一方で、調べても調べても分からない人も……。

 放置状態の宇宙事業を見直したい、なんて話も年初はしてました。たった今、思い出しました。つまり…宇宙事業はまったくの手つかず。
 来年の課題にします。

 それでは、月毎に振り返っていきます。

 1月
 この月最大の問題作は、須川邦彦の『無人島に生きる十六人』。フィクションなのか、ノンフィクションなのかで大いに悩みました。航本日誌は読んだ物語について記録しているところなので、ノンフィクションは除外してるんです。
 この『無人島に生きる十六人』は、「当事者から聞き取った話を分かりやすくまとめたもの」です。証言の検証や時代背景の取材が抜け落ちていて、ノンフィクションとは言い難い、と判断しました。
 同日、書的独話の「絶海の無人島」でも取り上げました。

 2月
 ようやく、ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』を読みました。よく、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』と並び称されるので、どちらか片方しか読んでないなんて片手落ちだと、気になってたんです。

 3月
 この月のトピックスは、なんといってもスザンナ・クラークの『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』。東京創元社から『ピラネージ』が刊行されるというとき、宣伝文句に、
 あの『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』のスザンナ・クラーク……
 とあって、読んでないぞ、と。読んでよかったです。

 4月
 ロシアがウクライナに侵攻をはじめたのが2月。以来、ニュースにくぎ付けになってます。そのなかで、ロシアがアルファベットの「Z」をマークとして使っているのを始終見ることになりました。
 「Z」といえば、映画「アラン・ドロンのゾロ」を思い浮かべます。アラン・ドロンはかっこよかった。そんなわけで、ジョンストン・マッカレーの『怪傑ゾロ』を。
 純粋に物語が楽しめる日が戻ってくるといいですね。

 5月
 この前の月から、NHKの「連続テレビ小説」枠でドラマ「ちむどんどん」が始まりました。登場人物たちが、L・M・オルコットの『若草物語』を彷彿とさせる、というのを耳にして、この機会にと改めて読み直しました。続編『続 若草物語』『第三 若草物語』『第四 若草物語』も併せて一気読み。

 6月
 先月に読んだ『若草物語』では、ジョン・バニヤン『天路歴程』が取り上げられていました。なんでも英語圏諸国では聖書に次いで読まれている、とか。まったく存じませんでした。
 それならば読んでこう、と手にとった次第です。
 読んだあと、まったく別の物語でもチラリと登場するのに出くわしました。さすが読まれている本。気がつかなかっただけで、いろんな物語に出てくるのでしょうね。

 7月
 いきなりのフランソワ・ラブレー《ガルガンチュアとパンタグリュエル》全五巻を一気読み。なにかきっかけがあったように思うのですが、メモしておかなかったら見事に忘れました。今年は古典に目がいっているので、その流れだろうと思います。
 読んで以降、最近の小説でもラブレーがひきあいに出されていることに気がつくようになりました。知らなくってもなんてもないんですけど、知ってると深みが出ます。教養ってそういうことなんだろうな、と思います。

 8月
 ジャスパー・フォードの『文学刑事サーズデイ・ネクスト2』『文学刑事サーズデイ・ネクスト3』は、主人公が本の世界で大活躍する物語。そんな主人公の師匠となるのが『大いなる遺産』のミス・ハヴィシャムです。
 ミス・ハヴィシャムが印象的で、本来の姿はどんなだろうと興味を抱き、ようやく読みました、チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』を。これは先に読むべきでした。

 9月
 〈探偵小説史上不朽の名作〉という謳い文句につられて読んだのが、ウィルキー・コリンズ『月長石』。
 Amazonのprime videoにドラマ版の「月長石」が入ってまして、読んだあとに視聴しました。原作を先に読むか、映像から入るか、なんとも悩ましい問題ですね。
 今回は原作を先にしたので、あそこはこうしたのね、あれは削られちゃったか……などと、変な角度から楽しみました。

 10月
 書的独話の「合言葉シリーズ」で「竜」をするつもりで、ヨアンナ・ルドニャンスカ『竜の年』を読みました。読んだのにしなかったのは、ジャスパー・フォードの『最後の竜殺し』が積ん読になっていることを思い出したから。
 だめですよね、積ん読してちゃ。(12月になって読了と同時に書的独話も書きました)

 11月
 ミステリのオールタイムベストを読もうと思ったとき、リストに赤色と黄色があることに気がつきました。A・A・ミルン『赤い館の秘密』とガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』です。これで青色があれば原色そろい踏み、などと考えてアガサ・クリスティー『青列車の秘密』を併せて読みました。
 クリスティーは絶不調の時期の作品で、ミステリとしてどうなのって感じではありました。とはいえ、腐っても鯛、不調でもクリスティー。ミステリの枠をとってしまうと、読みやすくておもしろいんですよね。

 12月
 碧也ぴんく『八犬伝』は、久しぶりの漫画。この前に読んだのといえば、2018年まで遡ります。チャイナ・ミエヴィルの作品集の中にあった「前線へ向かう道」というやつ(収録『ジェイクをさがして』)。 一冊丸々漫画というと、2017年の『MASTERキートン』(浦沢直樹&勝鹿北星)と『MASTERキートン Reマスター』(浦沢直樹&長崎尚志)になります。
 全然読んでなかったんだな、と自分でもびっくり。年の最後にすっきりしました。


 

 
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