2022年も終わってしまいました。
1年ってあっという間。年々、早く感じます。
では、2022年を振り返ります。
まずは、航本日誌。
2019年から毎年「総数で月に10冊、最終的に年間100タイトル」というのを目標……といいますか目安にしてます。
結果は、こうなりました。
1月、12冊(11タイトル)
2月、10冊(9タイトル)
3月、10冊(7タイトル)
4月、10冊(10タイトル)
5月、10冊(9タイトル)
6月、11冊(8タイトル)
7月、10冊(9タイトル)
8月、10冊(9タイトル)
9月、10冊(8タイトル)
10月、10冊(10タイトル)
11月、10冊(10タイトル)
12月、10冊(10タイトル)
昨年にひきつづき、今年も110タイトル、読むことができました。目標を上まわっているのは、児童書や、文量が多くない本などが入っているおかげです。
そういえば、年初の展望で、
ここ数年、漫画をまったく読んでいないので、ときには読みたいものです。
なんてことを書いてました。ちゃんと読みましたよ。12月になってからやっと……ですけど。
では次に、書的独話。
月に一項目は……と言ってましたが、クリアしました。必ずある展望と中間報告と総括を除いても月に一項目、なにかしら書けました。よかったよかった。
昨年できなかった「合言葉シリーズ」で「竜」を取り上げることもしました。これまた12月になってからやっと……でしたけど。
それから、裏方作業。
掲載作品リスト内で、書名の傍らにシリーズ名へのリンクを設ける試みを、少しだけ拡大させました。
その結果、あちらこちらのページで、シリーズ名を併記されたタイトルがお目見えするようになりました。そのため、各リストのページの注意書きにも、試みについて記載しました。
作家別の掲載リストでは、日本文学と海外文学を区切るのに加えて、海外文学について、作家名につづいて出身国を補記する試みをはじめました。
やってみたら、フランス人だと思っていたらフィンランド人だった! なんて気づきがありました。一方で、調べても調べても分からない人も……。
放置状態の宇宙事業を見直したい、なんて話も年初はしてました。たった今、思い出しました。つまり…宇宙事業はまったくの手つかず。
来年の課題にします。
それでは、月毎に振り返っていきます。
1月
この月最大の問題作は、須川邦彦の『無人島に生きる十六人』。フィクションなのか、ノンフィクションなのかで大いに悩みました。航本日誌は読んだ物語について記録しているところなので、ノンフィクションは除外してるんです。
この『無人島に生きる十六人』は、「当事者から聞き取った話を分かりやすくまとめたもの」です。証言の検証や時代背景の取材が抜け落ちていて、ノンフィクションとは言い難い、と判断しました。
同日、書的独話の「絶海の無人島」でも取り上げました。
2月
ようやく、ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』を読みました。よく、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』と並び称されるので、どちらか片方しか読んでないなんて片手落ちだと、気になってたんです。
3月
この月のトピックスは、なんといってもスザンナ・クラークの『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』。東京創元社から『ピラネージ』が刊行されるというとき、宣伝文句に、
あの『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』のスザンナ・クラーク……
とあって、読んでないぞ、と。読んでよかったです。
4月
ロシアがウクライナに侵攻をはじめたのが2月。以来、ニュースにくぎ付けになってます。そのなかで、ロシアがアルファベットの「Z」をマークとして使っているのを始終見ることになりました。
「Z」といえば、映画「アラン・ドロンのゾロ」を思い浮かべます。アラン・ドロンはかっこよかった。そんなわけで、ジョンストン・マッカレーの『怪傑ゾロ』を。
純粋に物語が楽しめる日が戻ってくるといいですね。
5月
この前の月から、NHKの「連続テレビ小説」枠でドラマ「ちむどんどん」が始まりました。登場人物たちが、L・M・オルコットの『若草物語』を彷彿とさせる、というのを耳にして、この機会にと改めて読み直しました。続編『続 若草物語』『第三 若草物語』『第四 若草物語』も併せて一気読み。
6月
先月に読んだ『若草物語』では、ジョン・バニヤン『天路歴程』が取り上げられていました。なんでも英語圏諸国では聖書に次いで読まれている、とか。まったく存じませんでした。
それならば読んでこう、と手にとった次第です。
読んだあと、まったく別の物語でもチラリと登場するのに出くわしました。さすが読まれている本。気がつかなかっただけで、いろんな物語に出てくるのでしょうね。
7月
いきなりのフランソワ・ラブレー《ガルガンチュアとパンタグリュエル》全五巻を一気読み。なにかきっかけがあったように思うのですが、メモしておかなかったら見事に忘れました。今年は古典に目がいっているので、その流れだろうと思います。
読んで以降、最近の小説でもラブレーがひきあいに出されていることに気がつくようになりました。知らなくってもなんてもないんですけど、知ってると深みが出ます。教養ってそういうことなんだろうな、と思います。
8月
ジャスパー・フォードの『文学刑事サーズデイ・ネクスト2』『文学刑事サーズデイ・ネクスト3』は、主人公が本の世界で大活躍する物語。そんな主人公の師匠となるのが『大いなる遺産』のミス・ハヴィシャムです。
ミス・ハヴィシャムが印象的で、本来の姿はどんなだろうと興味を抱き、ようやく読みました、チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』を。これは先に読むべきでした。
9月
〈探偵小説史上不朽の名作〉という謳い文句につられて読んだのが、ウィルキー・コリンズ『月長石』。
Amazonのprime videoにドラマ版の「月長石」が入ってまして、読んだあとに視聴しました。原作を先に読むか、映像から入るか、なんとも悩ましい問題ですね。
今回は原作を先にしたので、あそこはこうしたのね、あれは削られちゃったか……などと、変な角度から楽しみました。
10月
書的独話の「合言葉シリーズ」で「竜」をするつもりで、ヨアンナ・ルドニャンスカ『竜の年』を読みました。読んだのにしなかったのは、ジャスパー・フォードの『最後の竜殺し』が積ん読になっていることを思い出したから。
だめですよね、積ん読してちゃ。(12月になって読了と同時に書的独話も書きました)
11月
ミステリのオールタイムベストを読もうと思ったとき、リストに赤色と黄色があることに気がつきました。A・A・ミルン『赤い館の秘密』とガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』です。これで青色があれば原色そろい踏み、などと考えてアガサ・クリスティー『青列車の秘密』を併せて読みました。
クリスティーは絶不調の時期の作品で、ミステリとしてどうなのって感じではありました。とはいえ、腐っても鯛、不調でもクリスティー。ミステリの枠をとってしまうと、読みやすくておもしろいんですよね。
12月
碧也ぴんく『八犬伝』は、久しぶりの漫画。この前に読んだのといえば、2018年まで遡ります。チャイナ・ミエヴィルの作品集の中にあった「前線へ向かう道」というやつ(収録『ジェイクをさがして』)。 一冊丸々漫画というと、2017年の『MASTERキートン』(浦沢直樹&勝鹿北星)と『MASTERキートン Reマスター』(浦沢直樹&長崎尚志)になります。
全然読んでなかったんだな、と自分でもびっくり。年の最後にすっきりしました。