2021年を振り返ります。
まずは、航本日誌。
目標は「総数で月に10冊、最終的に年間100タイトル」と考えていました。
結果は、こんな感じです。
1月、10冊(9タイトル)
2月、10冊(8タイトル)
3月、10冊(10タイトル)
4月、10冊(9タイトル)
5月、10冊(9タイトル)
6月、10冊(9タイトル)
7月、10冊(9タイトル)
8月、10冊(9タイトル)
9月、12冊(10タイトル)
10月、11冊(10タイトル)
11月、10冊(8タイトル)
12月、10冊(10タイトル)
123冊、110タイトル。
2018年から4年間、年間100冊だったのですが、今年は110冊読めました。といっても、ただ単に上下巻などの複数組の本が少なめだった、というだけなんですが。
月に10冊目標はコンスタントに読むためです。現実には、月のなかで波を作ってしまい、コンスタントと言える雰囲気ではありませんでした。
あるときには、読む時間がとれないとか、読む気になってないとか、読んだ側から忘れて時間がかかるとか、さまざまな理由で滞りました。
またあるときには、急いで読みすぎた結果、一冊一冊をきちんと堪能できずに読了することも。
そんなこんなでの目標達成でした。
ところで、目標ではないのですが、目録のページで「今年は創元SF文庫を意識していきたい」なんてことを書いてました。意識はしてましたが、刊行数がそれほど多くなかったのが最大の誤算。読みたい本はもう読んでるし、読んでなかった本は食指が動かないだけの理由があった、と。
そんなわけで、あまり目立つ活動にはなりませんでした。
いい思いつきだと思ったんですけどねぇ。
そして、毎年問題になる書的独話。
毎年、月に一項目は……と目標にしてます。年初はやる気でいるのですが、あれやこれやと理由をつけてさぼりがち。
今年はなんとか、18項目、書けました。
ただ、心残りはあります。
年初に、テーマを決めて関連書を集める企画で「竜」を挙げてましたが、これはやらずじまい。すっかり忘れてました。代わりといいますか「古代」と「火星」は取り上げることができました。
それから、裏方作業。
作家別の掲載リストを日本文学と海外文学で区切ってみる案は、なんとか形にしました。後からの区分けなので少々やっつけ感はありますが、今後、よりよく改訂していくための土台、と見てます。
それでは、月毎に振り返っていきます。一部、中間報告とかぶってます。ご了承ください。
1月
今年も、年初からコロナ、コロナでしたね。
時間ばかりが過ぎていきます。すっごく久しぶりに、ミヒャエル・エンデの『モモ』を読みました。前回読んだのは、中学生くらいじゃなかったかと思います。読んだ記憶はあるのに内容は記憶していない、そんな本のひとつでした。
2月
日数が少ないうえ月末には資格試験もあって、あまり時間がとれなかった1ヶ月。
1月のうちに大半を読んでおいた全三巻のダン・シモンズ『殺戮のチェスゲーム』で数をかせぎ、児童書の《クロニクル 千古の闇》シリーズ全六巻で帳尻合わせしました。
《クロニクル 千古の闇》は、児童書の枠に入れてしまうにはもったいないおもしろさでしたよ。
3月
アントニイ・バークリーの恰好の入門書、というふれこみで読んだのが『ジャンピング・ジェニイ』。《ロジャー・シェリンガム》シリーズの9作目。作家名リストに入れるときになってようやく、2019年に読んでいた『毒入りチョコレート事件』がシリーズ5作目だったと気がつきました。
きちんと順番どおりに読んでいたら『毒入りチョコレート事件』の印象は違ったものになっていたはず。もったいないことをしました。
4月
作家別リストを若干改訂しました。年初にぼんやりと考えてましたが、日本文学と海外文学で区切ってみました。
実は、もっと細かく、地域ごとに分ける案もあるにはありました。英米文学、ロシア文学、イタリア文学……といった感じに。考えれば考えるほど、無理だ、と思い知り、早々に挫折しましたけど。
日本文学と英米文学しか読んでいなかったころなら、簡単にできたでしょうに。首尾範囲の広がりは歓迎すべきことですが。
それから、4月は、掲載作品リストにシリーズ名リンクを設ける試みも始めてます。はじめは、アシモフの《銀河帝国興亡史》から。シリーズ名で書名を圧迫してしまうと本末転倒なので、タイトルの後につけた【(群)】から移動できるように設定しました。
5月
書的独話の案内ページに「合言葉シリーズ」リストを設置しました。リストアップしたのは、2020年の「合言葉は【猫】」と「合言葉は【犬】」、3月の「合言葉は【古代】」です。このシリーズはデータの蓄積を活用できるので、今後も続けやすくしておきました。
この月、ナオミ・ノヴィクの『テメレア戦記 VI 大海蛇の舌』において「シリーズ翻訳が停止していて、もう無理だろう」と書きました。
なんと!
出版社と判型を変えたうえでの再出発が決まったそうです。12月から、既刊の移籍がはじまってます。そういうこともあるんですね〜。
6月
上旬にまったく読んでいないのは、半ばに資格試験があったため。無事に経過してからは、反動が出てしまって読みまくりました。
この月は、航本日誌掲載の本が2000冊に到達した月でもあります。「ようやく、2000」でも書きましたが、2000冊目にめがけて読んだのが、年代別海外SF傑作選である『2000年代海外SF傑作選』です。単なる2000つながりですが。
7月
2020年の「合言葉は【猫】」の「その後」のページをこっそりと作りました。リストに入れ漏らしていた本が次々と発見されまして「これは、まずい」と。その後に読んだ本も含めて、メモという形で、随時、追記していくことにしました。
いずれ、正式に書く日がくると思います。
【2023年8月追記:合言葉は【猫】改訂版を公開したため、その後のページは削除しました】
8月
エドゥアルド・ヴェルキンの『サハリン島』は、久しぶりのロシア文学。「この10年で最高のロシアSF」などと銘打たれたら、素通りするわけにはいきません。とはいえ、ロシアSFなんて読んだことがあったかどうか。
ヴィクトル・ペレーヴィンの『宇宙飛行士 オモン・ラー』はロシアSFなのかどうか。アルカジイ&ボリス・ストルガツキーの『ストーカー』はロシアSFだけど、あきらかにここ10年じゃないよね、もっと古い。
ロシアSFどころかロシア文学すら、読む機会は少なめ。遠く感じますが、日本のお隣なんだ、と再確認しました。
9月
R・A・ラファティの『宇宙舟歌』を読むために、下敷きになっているというホメロスの『オデュッセイア』を読みましたる
なにかを読むために別のなにかを読むのって、久しぶりな気がします。古典なんて読んでいて当然と言えるほどの素養もなく、こういう機会がないとなかなか手がだせません。
4月にはじめていた「掲載作品リストにシリーズ名リンクを設ける試み」が、ここで若干の修正。設定した本人ですら【(群)】の意味が分からず困惑する事態に陥ったため、シリーズ名そのまま表記に変更しました。長いものは「…」ではしょる、ということで。
10月
マーサ・ウェルズの『ネットワーク・エフェクト』は、昨年読んだ『マーダーボット・ダイアリー』の続編。ネットで予約しておいたら発売日の前日に届いて、ウキウキして読みました。2日かけたので、けっきょくは発売日に読んだことになってしまいましたが。
買ってもそのままにしておくことが多く、すぐに読むのはめずらしい現象でした。
なお、『ネットワーク・エフェクト』も前作に続いてネビュラ賞、ヒューゴー賞受賞。《マーダーボット・ダイアリー》シリーズとしてもヒューゴー賞受賞しました。
11月
前々から気になってはいたのですが、ついに読めたのがレックス・ゴードンの『宇宙人フライデイ』。
1997年に抄訳版の『宇宙人フライデー』を読んでいて、オリジナル版はどうなんだろうな、とずっと気になってました。抄訳にするからにはそれなりの長さがあり、ばっさりカットされた部分もおもしろいのでは?
実際に読んでみたら、オリジナル版も短くあっさりしたものでした。抄訳版で充分だったような気もしますが、こればっかりは読んでみないと分かりませんから。
12月
ジェラルディン・マコックランの『世界のはての少年』を読んだきっかけは、10月読了のクリス・ヴィック『少女と少年と海の物語』掲載の広告。
おもしろそうな本を知る機会って、最近はSNSが多いです。かつては、雑誌とか読んだ本の広告とか、紙媒体がほとんどでした。広告をきっかけに手にとって、そのころのことを思いだしましたよ。
本との出会いってそういうものだよね、と思いながら。