実際に使用している【コーナー名】とコメント。
この場のみの解説もどき。
今回記載するのは、以上の2点です。
いかんせん総数120ゆえ、本の紹介ははしょらせていただきました。ご容赦ください。全容については、お手数ですが、実際の宙色堂でご覧いただければ……。
なお、宙色堂で下している評価ですが、今のところ「★★★★★」の満点評価をしている本はありません。★の数は、おもしろ度ではなくオススメ度である、という認識のもと評価を決めています。
★★★★★=すべての人にオススメできる本
★★★★☆=オススメしたい本
★★★☆☆=自分的にはおもしろかった本
★★☆☆☆=おもしろいことはおもしろいけど……
★☆☆☆☆=オススメできない本
こんな感じです。
【外の光はすべて星】
大宇宙を舞台にくりひろげられる大冒険。移動手段は、もちろん宇宙船。スペース・オペラと呼ばれるもの、そうではないもの、いろいろとり揃えてみました。◆◇◆コーナー名は、フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』からいただきました。宇宙飛行士であった思い出を胸に、頓挫した宇宙探検計画を復活させようと画策する男のロマン。
銀河が舞台になっている本のコーナーです。銀河をまたにかける宇宙船もの、大好きです。それを反映して、14冊の枠を使い切ってなお、入りきらない本があります。いくつかの本を他のコーナーに移して、なんとかやりくりする日々です。
【この星を見よ】
地球以外の惑星や衛星を舞台にした物語を集めてみました。地球とは一味も二味もちがう大自然。過酷な環境、不可思議な現象、謎の生物。しかとご覧ください。◆◇◆コーナー名は、マイクル・ムアコック『この人を見よ』からいただきました。タイムマシンでキリストの最期を見届けようとした男が目撃したものとは?
未知の環境や異質な生物って、わくわくします。実は、念頭にはマキャフリイ『惑星アイリータ調査隊』やポプケス『惑星キャリバン探査隊』がありました。残念ながら、双方とも絶版扱い。掲載は叶いませんでした。
【つぎの地球につづく】
こことはちがう地球の物語たち。はるか未来の変容した姿。あるいは、パラレル・ワールドもの。少しちがっていたり、とんでもなくちがっていたり……。◆◇◆コーナー名は、R・A・ラファティの短編「つぎの岩につづく」からいただきました。遺跡に埋められていた石板に刻まれていたのは、ラブレター。しかも常に“つづく”で終えられていて……
このコーナーは、ソウヤー『ホミニッド −原人−』を置くために作りました。当初はパラレルワールドもののみ扱っていたのですが、それだけでは棚が埋まりません。そこで、はるか未来の、すっかり変わり果てた地球も入れることで体裁を整えることに……。でも、おかげで、行き場のなかったオールディス『地球の長い午後』を紹介することができました。
【異星人よ故郷に還れ】
地球にやってきた異星人たちをご紹介。地球を舞台にかれらはなにをしたのか? 人類はどう変わったのか? かれらの目的とは……? ◆◇◆コーナー名は、ジェイムズ・ブリッシュ『地球人よ、故郷に還れ』からいただきました。星間航法スピンディジーの開発により大宇宙に飛び出したニューヨーク市だったが……
このコーナー名、まるで異星人を追い返したいみたいで少々違和感を持ってます。この場合の“故郷”は産まれたところではないのですが。2005年の収穫本、ベンセン『天のさだめを誰が知る』が絶版扱いで紹介できなかったのは残念です。
作品からコーナー名をいただく傾向ができる前は、「異星人がやってきた!」と名付けてました。
【時よ、時よ!】
時間がかかわる作品を集めてみました。時間跳躍技術が登場するもの、過去を覗くもの、過去へと旅立つもの、未来人と交流するもの。そして、時間がおかしくなってしまうもの。変幻自在な時をお楽しみください。◆◇◆コーナー名は、アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』からいただきました。ジョウント効果(テレポーテーション)によって大きく変貌をとげた世界での復讐劇。
当初は「過去への扉」(ハインライン『夏への扉』のもじり)と称して、過去への時間旅行限定でした。ムアコック『この人を見よ』が絶版扱いになっていて悔しい思いをしましたっけ。コーナーを増やすうちに枠が足りなくなって、未来人ものと統一したのが現在の姿です。
【われら電脳を選ぶとき】
一時期“サイバーパンク”ともてはやされていた、都市と、人間の脳があやつるネットワークとが登場する世界。サイバーパンク以前の作品、サイバーパンク以降の作品も集めてみました。◆◇◆コーナー名は、ロジャー・ゼラズニイ『われら顔を選ぶとき』からいただきました。影で人類社会を操作し保護しているクローン一族。彼らの分身が一人ずつ殺される事件が発生し……。
エフィンジャー『重力が衰えるとき』のために作りました。サイバーパンクものは、それなりに読んではいるのですが、大半を忘れてしまっていて……8冊の紹介にとどまってます。
【特殊人の方法】
超能力もSFの主要テーマのひとつ。いろんな能力が登場します。心を読んだり、空を飛んだり、時間を駆け巡ったり……。彼らの“方法”とは? ◆◇◆コーナー名は、アイザック・アシモフの短編「火星人の方法」からいただきました。地球の圧政に対して火星に住む人々がとった対抗策とは?
もっとも悩んだコーナー名。ヴォクト『スラン』やヴィンジ『サイオン』からそのまんまいただいてた時期もありました。もっと分かりやすくってかっこいいものに変えたいのですが……。
このコーナーで紹介している、恩田陸『光の帝国 常野物語』が、宙色堂初売上げでした。
【もちろん人間じゃない】
人間のように考える、人間ではないものたち。さまざまな状況下の人工知性をご紹介します。人間と共に歩むもの、狂気に陥るもの、孤高を極めるもの。彼らの精神活動は本物か? ◆◇◆コーナー名は、フィリップ・K・ディックの短編「まだ人間じゃない」からいただきました。12歳になってようやく人間として認められる世界で行われていることとは?
コンピュータやロボットやアンドロイド。それらが目白押しです。アシモフ『われはロボット』に代表されるロボット工学三原則。それを踏まえてラッカー『ソフトウェア』をご紹介したかったのですが、絶版扱い。あえなく撃沈しました。
【復活した宇宙】
一度は目録から外されて入手困難に陥りつつも復刊フェアなどで蘇った本たちです。中には、ふたたび絶版扱いになりそうなものも……。手に入れるなら、今がチャンス!? ◆◇◆コーナー名は、フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』からいただきました。ある事故をきっかけに、アルクトゥールス星と戦争を繰り広げている地球にとばされてしまった男の物語。
実は、他のコーナーに入れられなかったものの復活の場として用意しました。ほとんどの本が絶版扱いを経験しているのでは? と思うくらい、SFはなかなか重版されません。
【浅倉久志ステーション】
英米文学翻訳家・浅倉久志の手がけた作品のうち、他のコーナーに入れられなかったものを集めました。また、アンソロジーの中の一編も入れてあります。浅倉久志は、購入する際の判断基準のひとつにしている、もっとも好きな翻訳家です。◆◇◆コーナー名は、クリフォード・D・シマック『中継ステーション』からいただきました。銀河系の地図に書き込まれた地球の中継ステーションは、ある個人宅。そこをさまざまな旅人が通過していくが……。
このコーナーも「復活した宇宙」同様、救済的コーナーです。好きな本はたいてい浅倉久志が訳してます。
登録した紹介文が商品レビューに反映されなかったり、この1ヶ月いろいろなことがありました。売上げが発生して、グループに参加して、他の店長さんと交流して。
宙色堂は、この「あまね書房」の単なる延長ではありません。きっちり住み分けさせる計画です。ひととおりの本を並べ終えて、今後は、ただの紹介になってしまっているレビューを改めていきます。ついつい買ってしまう、すばらしいものを書ければ……。
【2011年追記】
その後宙色堂は閉店し、セブンアンドワイも大幅に変更されておりますので、リンクは外させてもらいました。